カジキの強い引きに魅せられて

カジキ漁師 中島勝治さん


日本の最西端に位置する与那国島。その沖合は、カジキマグロの漁場として名高い。与那国漁協の漁師たちは、古くからカジキの一本釣りの腕を競ってきた。

漁協でも中堅の中島勝治さんは7年前、35歳のとき大阪で経営していたコンビニエンスストアを畳み、与那国に移住して漁師になった異色派だ。

「カジキ釣りに魅せられて、毎年、与那国に通っていたんですけど、漁師になりたい、それには30代の今しかないと思ったんです」。そう話す中島さん。与那国で結婚し娘も生まれた。

カジキ釣りの魅力は引きの強さにあるという。カツオを丸ごと針につけ、海に流す。カジキが食いつくと、なんともいえないガツンという引きがある。リールを巻いたり、緩めたり、カジキとの駆け引きを繰り返し、相手が疲れた頃合を見計らって引き寄せ、モリで突いて仕留める。90sほどのカジキでも、モリで突くまでに30〜40分かかるそうだ。

これまで与那国漁協で揚がった最大のカジキは700sの大物だった。中島さんは、それを超えるカジキを仕留めたいと燃えている。

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