日本の女性は、好調な経済を背景に、欧米の高級ブランドをはじめ世界中のファッションを貪欲に消費し続けてきた。バブル経済華やかなりし1980年代に社会人として働き始めた女性たちが、高級ブランド品の洗礼を受けてから約25年。親となった彼女たちは、自分の子どもにもできるだけよい服を着せ、よい物を見せて育ててきた。こうして大きくなった今の若者が、ファッションに対する目が非常に肥えていたとしても、何ら不思議ではない。
目の肥えたファッション愛好者は、一目見ただけではわからない細部にこだわりを持つ。なるほど、「アプワイザー・リッシェ」のアイテムは、どれもシンプルすぎず、どこかにはっとするような細工がある。スカートのタックの取り方がやや多かったり、袖口がちょっとふくらんでいたり、スカートの裾にレース加工がしてあったり。そんな細部を見て新鮮な驚きを感じた時、女の子はきっと声をあげてしまうのだ。「かわいい!」と。
「『かわいい』っていうのは、言葉であって言葉じゃない。女の子たちの心の奥底から発せられるエクスクラメーションマーク(!)なんです」
と大西さん。
「かわいい!」の声とともに進化を続ける、日本の女の子のファッション。その先には、どんな未来が待っているのだろう。