2006年12月、東京・広尾で出会った大学生の女の子たちは、秋冬の流行を見事に体現していた。レースのキャミソールにピンクのニットセーターの重ね着、フェミニンなミニスカートや、ひざ丈パンツに合わせたロングブーツ。襟にふわふわの毛皮があしらわれた白いコート……。思わず「かわいい!」と言わずにいられない。上品で清潔感があり、きちんとしているのに女の子らしい甘さが感じられる。そのスタイルのお手本は? と尋ねると、「CanCam!」と、皆が声を揃えて答えてくれた。

雑誌『CanCam』(小学館発行)は今、日本で最もよく読まれている、若い女性向けのファッション誌。読者の平均年齢は23歳で、約65万の部数を誇る。しかし、取り上げるファッションスタイルだけを見れば、他の競合誌とあまり差があるようには思えない。一体、何が読者を惹きつけているのだろう。

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