旭山動物園はいまや大勢の人が押し寄せる動物園となったが、「これが最終目標ではない」と小菅園長。
旭山にいる野生動物たちの多くが、いま絶滅の危機に瀕している。その窮状を「もぐもぐタイム」に行われるガイドなどで来園者に訴えている。あのホッキョクグマが、あのオランウータンが、温暖化や森林伐採など環境破壊のために地球上からいなくなるかもしれないのだ。
「私たちがみなさんに持って帰ってもらいたいのは、野生動物への思いです。来園をきっかけに、野生動物を身近に感じることで、動物のすばらしさ、いのちの尊さを感じ取り、それぞれの人が住む地元の環境、ひいては地球環境の保護に関心を持ってほしい。そういう人が増えれば野生動物も地球環境も守られていきます。そうなって初めてわれわれの存在意義がある。旭山動物園の本当の成功は、そこにあると思っています」