箱根は、東京から電車で1時間半ほどで行ける温泉地として、人気が高い町だ。
この箱根町で、2006年2月、「箱根もてなしの達人」認定制度が発足した。日常的に優れた「もてなし」を実践している人たちを「達人」として顕彰しようというのである。
「この取り組みが刺激になって、箱根町全体のもてなしの心が高まっていけばいいと思っているんです」
こう話すのは、この制度を発案した町の観光振興課の山口賢さんだ。
達人の選考の基準は四つ。「もてなし」に対する姿勢や意識が高いこと。箱根を観光地として発展させようとしていること。観光についての知識が豊富にあること。そして、人として魅力があること。これらを総合的に評価した結果、5名が初代の達人に選ばれた。
「みなさん、箱根に対して強い“愛情”をお持ちなんですよ。その愛情がもてなしの大きな原動力となっていることがよく分かりました」
山口さんは、今回の選考を通して、改めてそのことを感じたという。