東京・秋葉原にあるツクモ電機本店の3階に、日本初の自作ロボット専門店「ツクモROBOT王国」が開店したのは、2000年8月のことだ。当初は、ロボットを自作するのは、学校関係者などまだごく一部の人に限られ、店でも教材用ロボットキットや部品などを中心に扱っていた。ところが、今では自作ロボットの製作者たちの情報交換の場として連日にぎわうようになっている。
「個人の趣味としてロボットをつくる人が増えたのは、ロボワンの大会が始まってからですね」と言うのは、ツクモ電機販売促進課の後藤大和さんだ。この大会が始まることで、二足走行ロボットの自作キットも発売されるようになった。このことがロボットの詳しい知識を持たない人にも、簡単にロボットがつくれる機会を与えた。なかでも、近藤科学の『KHR-1』というキットは、性能のよさと12万円という価格の低さ(それまでは40万円くらいかかっていた)でベストセラーになった。この店でも、すでに3000台を売った。
「今後は、子どもたち向けの入門的なロボット教室を定期的にやっていこうと考えています。一人でもロボットをつくることの楽しさを知ってくれる子どもが増えて、その中から未来の優秀なエンジニアが生まれればいいなと思っているんです」。後藤さんは、そう話す。