長崎西方の海上に浮かぶ、大小約140の島、五島列島。そのうちで最も大きい福江島にあるなだらかな火山、京ノ岳に描かれた抽象画さながらの不思議な文様。その正体は「円畑」と呼ばれる畑で、17世紀頃からサツマイモ、米、麦などを栽培してきた。畑の間に植えられたツバキは、防風林の役目を果たす
(写真=渡部まなぶ)
平野の乏しい日本では、山や丘の傾斜地にも階段状の水田、棚田を開いてきた。中でも、水田が数え切れないぐらいたくさんあるものを、千枚田という。写真は、魚のうろこのような造形美が見事な、石川県輪島市白米町の千枚田。1.2haの山地に2000余の水田が波打ち際まで達する。水田の一枚一枚に映る月は「田毎の月」と呼ばれ、俳句にも詠われる
(写真=豊高隆三)