佐賀平野の貯水堀(写真左上)

佐賀平野は、九州でも有数の水田地帯。だが、潮の干満差が大きい有明海に面し、田んぼへ水を引いたり排水することが、とても難しかった。そこで知恵をしぼった先人たちが造ったのは、灌漑や排水のための貯水堀。以前はここから生活用水をまかなったり、魚のフナや水草のヒシをとって食べたり、貯水堀は暮らしとも深く結びついていた

(写真=渡部まなぶ)

牧ノ原台地の茶畑(写真右上)

うね状に織った緑のビロード生地……に見えるのは、実は茶畑。牧ノ原は、静岡県の大井川下流域に南北25kmにわたって広がる台地である。大井川の扇状地が隆起してできた土地は水はけがよく、おいしいお茶が育つのに適している。明治維新直後(1869年)から茶畑として切り開かれ、現在は、日本一の茶どころ、静岡県の生産量の約4割を占める

(写真=豊高隆三)

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