草原に群れる羊のように見えるのは、石灰岩の石柱群だ。山口県の秋吉台は日本最大のカルスト台地。海から遠く離れているが、石灰岩から見つかった海洋生物の化石が、大昔この土地がサンゴ礁の海であったことを物語っている。秋吉台の地下には、大鍾乳洞、秋芳洞が広がっている
(写真=豊高隆三)
さまざまな形の岬と、60あまりの小島がつくりだす複雑な海岸線。三重県志摩半島の英虞湾は、山地が海に沈んでできた典型的なリアス式海岸だ。海上に白く点在するのは真珠の養殖用いかだ。天然真珠の産地だったこの湾で、御木本幸吉(みきもとこうきち)が20世紀の初めに養殖に成功し、世界的に知られる真珠産地となった
(写真=渡部まなぶ)