コンブは、北海道各地の沿岸、東北地方の三陸海岸で採れる海藻である。海底から採取したコンブを天日干しなどで乾燥させる。コンブだしのとり方は、切ったコンブを水に入れ、煮立つ間際に取り出すのが一般的。独特のうまみがあり、吸物や煮物に使う。
 東京の築地市場にある仲卸・伏高は、プロ向けにコンブやカツオ節などだし用の海産物を扱う店だが、良質な昔ながらの食材を一般にも広めようとインターネット通販も行っている。伏高の社長・中野克彦さんは、「コンブは産地によって特徴がありますが、どの産地にも共通しているのは、近くに必ず山があることです」と言う。
「山の落葉樹の葉が落ちてできた腐葉土の栄養分が川から海に運ばれ、それを吸収して質のいいコンブができるんです」。山の豊かな自然が、海の幸・コンブを育てているのだ。

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