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いまどき日本列島
テレビドラマが火をつけた“韓流”ブーム
文●坂上恭子 写真提供●毎日新聞社
日本は今、空前の“韓流”ブームである。韓流とは、1990年代末からアジア全域に広まった音楽、ドラマなどの韓国大衆文化を指す言葉だ。
日本の韓流ブームの火付け役となったのは、韓国の俳優、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウ主演の韓国ドラマ『冬のソナタ』だ。現在の日本のドラマではあまり描かれない美しい純愛や、魅力的な俳優たちの演技が、中高年を中心とした多くの日本人の胸を打った。2003年4月にNHK衛星放送で放送が開始され、1年後に地上波での再放送が始まるやその人気は一気に加速、最終回の視聴率は、関東地区20.6%、関西地区23.8%。深夜11時以降の放送枠としては異例の高視聴率を記録した。
この人気を受けてか、ロケ地へのツアーも数多く設けられ、ドラマの舞台となった韓国北部にある春川を訪れた日本人観光客は、これまでの4万人から14万人に急増。DVDや主題歌のCDの売り上げも上位にランキングされ、その人気は衰えるところを知らない。
さらにブームはドラマにとどまらなかった。日本人女性と韓国人男性の結婚を斡旋するラクエンコリア社では、2003年10月の募集開始以降、女性会員は80名にも満たなかったが、翌年4月のペ・ヨンジュン来日と同時に登録希望者が急増。2004年8月現在、1700名以上の女性会員が登録している。また、NHKが毎年4月に開講するテレビ「ハングル講座」の4月号テキストの発行部数も、2003年の9万部に対し、2004年は20万部と飛躍的な伸びを見せた。
韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報日本支社の特派員・崔洽さんは、韓流ブームについて次のように言う。「日本と韓国は、歴史的に見てあまりいい関係とは言えませんでした。その流れが変わってきたのは、2002年に日韓で共催されたサッカーワールドカップあたりからでしょう。韓国に対して親しみを持つ日本人が増え、そこにドラマ『冬のソナタ』がすっぽりとはまった。実は韓国では、このドラマは日本ほど爆発的には盛り上がらなかったので、現地の韓国人の間でも日本の韓流ブームは話題になっています。このブームで日韓の関係は確実によくなりましたし、喜んでいる韓国人は多いですね」
おりしも2005年は日韓国交正常化40周年を記念する日韓友情年。両国の関係は、スポーツや文化を通してますます深まっていくことだろう。
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