「歩く」ための未来技術
グローバル・ループ
 愛知万博の長久手会場は、山あり谷ありの起伏の激しい土地。そこに、山を削ったり谷を埋めたりしないで、いかに元の自然を保ったまま来場者が往来する道を造るか。そこで実現されたのが、平均高度7.5m、幅21mで会場を一周する全長2.6qの大木造構造物、「グローバル・ループ」だ。
 200mおきに下に降りられるルートが設けられ、来場者はこのグローバル・ループを歩くことでどのパビリオンにでも簡単にアクセスできる。幅21mのうち、中心の6m幅は、電動カートなどの緊急車両が走れる強化構造。また、床は日光の照り返しが少なくなるよう加工され、最大勾配が20分の1とほぼ平らな造りで、車椅子でも移動しやすいバリアフリー構造になっているなど、そこには「歩く」ためのさまざまな工夫が込められている。“未来”の交通手段は、機械の乗り物とは限らないのである。

close