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長寿を支える日本食
日本は、世界一の長寿国である。平均寿命は、男性が78歳であり、女性は85歳だ。100歳以上の人口も毎年増え続け、2003年は2万人を突破し、2万561人となった。今年も、さらに増えるのは確実である。
日常的に健康を支えているのは食べ物であるという点からみれば、日本人の長寿の背景には、まぎれもなく「日本食文化」がある。それは、日本人が古代以来伝統的に食べてきた「食事スタイル」である。この「日本食」は昨今、欧米諸国を中心にその評価を高めている。健康にいいし、細胞の老化を防ぐ上でも、きわめて効果的な要素を豊富に持っているからだ。日本人は、この食事のおかげで、地球上で老化の進行が最も遅れているといっても過言ではない。いくつになっても、驚くほど若々しい。
「一汁三菜」が基本
主食に三種のおかずと汁物、この「一汁三菜」こそが、日本食スタイルの原点である。これは、米を水だけで炊いたご飯に味噌汁がつき、三種類のおかずが添えられるという意味だ。「三菜」は、主菜が一品に、副菜が二品で合計三菜となる。古代から続いてきた食事法が、一汁三菜に定型化される土台を作ったのは、室町時代(14〜16世紀)の武士階級で、このスタイルが基本的には現代にまで受け継がれているのだ。
主菜となる動物性タンパク質は魚で摂ることが多く、刺し身をはじめ、煮たり、焼いたりさまざまに料理して食べる。副菜は、サトイモやダイコン、ニンジン、ゴボウ、昆布などの煮物類で、もう一品は、納豆、豆腐、煮豆、野菜のおひたし、酢の物などになる。さらに、基本の一汁三菜に必ず付け加えられるのが、野菜の糠漬けや梅干しなどの漬物である。
料理の材料は、春夏秋冬の季節のものが中心。日本人が季節の味にこだわるのは、味が最も充実していて、あまり手のこんだ料理をしなくても十分に美味なことをよく知っているからだ。濃厚に味付けをしたり、長時間煮込んだりしないから、素材が本来持っているビタミン類や薬効成分などの損失が少ない。従って日本食は、シンプルではあるが、自然に栄養効率が高くなる。それでは、長寿を支える主な食品の栄養成分について説明しよう。
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