海の安全を海のエネルギーで守る
波力・潮流発電
 海上保安庁では、1950年代初頭から自然エネルギーの研究、開発に取り組んできた。灯台や灯標、海に浮かぶ灯浮標など海上交通を支える航路標識は、孤島や岩礁に立つものも多く、自立的な電気の供給が必要だったからだ。
 日本の沿岸には約5500基の航路標識がある。現在、その54%、約3000基が自然エネルギーを利用しているが、最終的に80%くらいまでにはもっていきたいという。
 最も多いのは維持や保守にあまり手がかからない太陽光発電だが、それに次ぐのが波力発電である。これは、波やうねりによる海面の上下運動を空気圧に変え、その力でタービンを回して発電するというものだ。第1号は、すでに1965年、大阪湾に浮かぶ灯浮標に採用されている。
 海の安全は海のエネルギーで守ろう、というわけである。2002年には、潮の流れでタービンを回して電気を作る潮流発電を使った灯浮標も導入されている。
 こうした自然エネルギーを利用する発電装置の欠点は、発電量が天候に左右されること。海上保安庁では、より安定して電気を供給するために、太陽光と波力を併用することも行っている。日差しは強いが海が凪ぐことの多い夏は、太陽光発電を中心に電気を作り、曇りで海が荒れることが多い冬には、波力発電を中心に電気を作るということができるのだ。

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