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アニメとマンガの深い関係
なぜ、こうも日本ではアニメが盛んなのだろう。そして、今に至って、なぜ注目を浴び始めたのだろう。それを考えるには、アニメに原作を提供しているマンガの広がりを無視してはならない。多くの人により受け入れやすく、各国の仕様に変換しやすいアニメという形式によって、日本のマンガの持つ物語世界やキャラクターが広く伝えられている、という見方もできるだろう。
確かに、第2次世界大戦前から政岡憲三、瀬尾太郎などによって国産アニメは製作されていた。そして戦後、東映動画の『白蛇伝』から始まった劇場用長編アニメは、ディズニーの名作路線を踏襲することで、日本人が想像する以上に世界中で公開されている。だが、そんなディズニーの名作路線とは異なり、独自の演出方法を確立し、キャラクターや物語性によって見せるという現代日本アニメのもとを作ったのは、『鉄腕アトム』から始まったテレビアニメだった。
ディズニーアニメに憧れ、感動した手塚治虫は、テレビアニメ『鉄腕アトム』を作るにあたって、セル画の枚数を減らし、同じアクションを使い回すなど、絵に生命が吹き込まれ動き出すというアニメーションの美学より、物語やドラマを効率よく見せる方法を選択した。製作費を下げ、供給を維持できるよう、さまざまなアイデアを使い、動かない絵を動くように見せたり、短いショットを重ねたりと、演出によって独自の映像を構築していくことになる。
『鉄腕アトム』の大ヒットは、『鉄人28号』『8マン』など、まずSFアニメの時代を作った。キャラクター商品の開発、スポンサーとの提携などテレビアニメのシステムも整っていった。1960年代、これらのアニメの大半は、マンガを原作とするものだった。SFに続いて、少女向けの『魔法使いサリー』、気弱なお化けが主人公の『オバケのQ太郎』、求道的な野球少年を描く『巨人の星』などのヒット作が生まれ、テレビアニメはマンガを母体として多様化していったのだ。こうして日本のアニメは、人気マンガのテレビへの移植によって広がり、定着していった。同時に、低年齢層まで含めて広く視聴されるアニメは、マンガ誌の部数拡大へ力を貸していくことにもなる。
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