|
ファンの裾野を広げた年2回のお祭り
コミックマーケット
|
|
2003年8月、東京ビッグサイトで、通算64回目のコミックマーケット(略称コミケ、コミケット)が開催された。サッカーコートが12面も取れるほどの大きな会場に、参加したサークル数は3万6000、来場者数は46万。わずか3日間の催しとは思えない数だ。
会場には、マンガやアニメーション関連の個人・同人誌をはじめとする店が、所狭しと立ち並ぶ。真剣な表情で本を手にする人や、楽しそうに出展者と語らう客で大賑わいだ。呼び込みの大きな声に振り返ると、アニメ・キャラクターそのままに扮装した「コスプレ(コスチューム・プレイ)」の女性の姿が。
大盛況を呈するコミケが、最初に開かれたのは1976年。東京都内の会場に集まったサークルは32、来場者は700人ほどだったという。27年間で、マンガやアニメは確実に市民権を得たのだ。
「お祭り」である以前に、コミケは、作品に込めた考えや、技を試す場でもある。なにしろ目の肥えた46万人もの人が訪れるのだ。そして、この積み重ねが、マンガやアニメの裾野を広げ、作家を育む“揺りかご”となってきた。なかには、すでにプロフェッショナルとして一線で活躍する人も現れている。 |
| close |