驚きと発見がいっぱい!
三鷹の森ジブリ美術館
 東京都心の少し西寄りにある三鷹市には、アニメ・キャラクターの「トトロ」が受付で迎えてくれる建物がある。「三鷹の森ジブリ美術館」だ。館主は、『千と千尋の神隠し』で、第75回アカデミー賞・長編アニメーション部門を受賞した宮崎駿監督。入口には、宮崎さんの「ジブリ美術館は物語の入口です。物語の主人公は、あなたです」という言葉が掲げられている。
 ここは、宮崎さんらが設立したアニメ制作会社「スタジオジブリ」のアニメの世界が体験できる美術館。迷路のような館内を歩きまわり、展示品にもどんどん触れて、さまざまな驚きや発見に出会いながら、アニメの面白さを実感できるようになっている。ドアを開けると鏡に映った自分がいたり、思わぬところにジブリ作品のキャラクターが隠れていたり、石畳にはさりげなく三葉虫などの化石が埋め込まれていたり……。宮崎さんの言葉通り、訪れた人が物語の主人公になれる美術館なのだ。
 なかでも、子どもたちの一番人気は、2階にある巨大なぬいぐるみの「ネコバス」。飛んだり跳ねたり、しっぽを引っ張って遊んだり、思いっきり乗り心地を楽しめる。屋上に置き捨てられたように立つ「ロボット兵」の前では、記念写真を撮る人も。
 常設展示室の「映画の生まれる場所」には、映画の資料や小物、描きかけの下絵などであふれた机が、まさに仕事中のままの状態で置かれ、宮崎さんがアイデアをひねりだす苦しみを、ひしひしと感じることができる。また、地下の映写室「土星座」ではオリジナルの短編アニメ映画の上映会も開かれている。
 入館は予約制。1日限定2400人で、600人ずつ4回に分けて入館する。入場者数の限定は、十分に美術館を探検できるようにという配慮からだ。

close