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多くの日本人が本に求めているものは?
文●坂上恭子 写真●河野利彦 日本の書籍・雑誌の年間総販売部数は約40億冊。1994年以降、年々減少傾向を見せ、出版業界は今や「冬の時代」といわれる。携帯電話やインターネットの普及に伴い、これまでに本で得ていた楽しみや情報を通信に求めるようになったためだ。加速する活字離れの中、健闘を見せているのが人の生き方や心のあり方を主題にした本。ひと頃の好景気が崩れてしばらくたった1995年、プラス思考を謳った春山茂雄の『脳内革命』が350万部のベストセラーになったのを皮切りに、1998年には、生きることの辛さを前向きにとらえた五木寛之著『大河の一滴』が250万部の大ヒット。90歳にして現役の医師である日野原重明著『生きかた上手』は2001年の発売以来、120万部を突破。また、2002年に発売された東京都知事・石原慎太郎の『老いてこそ人生』も70万部と健闘を見せている。長引く不況や高齢化が進む中、物やお金よりも心を大切にしたい、よりよい生き方を模索したいとする日本人が増え、そんな分野の本が求められているようだ。
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