基本を変えず、時代にあわせる工夫
羽二重団子 七代目当主 澤野修一さん
 「老舗の家に生まれた人間は、リレーのランナーのようなものだと思うんです。店をどれだけ魅力的なものにして次に渡せるかが課題ですね」
 そう語るのは、七代目当主の澤野修一さん。
 団子は、米の粉を蒸し、杵でついて作る食べ物だが、羽二重団子は普通の団子の倍ほどもつく。それが、1819年の創業以来、変わらぬ製法。
 羽二重とは、良質の絹糸で緻密に織られた柔かい絹織物の一種。羽二重団子はその名に違わぬきめ細かな肌と、もっちりした歯ごたえが特徴で、それが評判になり、江戸中から客が集まったのだ。
 「米や小豆、醤油など、材料も昔と変わりません。材料や作り方の基本を変えずに、どう時代にあわせていくか。そこにバトンを継ぐ者の工夫の余地があると思うんです」
 先代はデパートでの販売を始め、澤野さんは支店を出した。品質を落とさずに、本店以外で販売できる方法を考えたからだという。さらに、新しい商品も売り出した。女性に食べやすいようにと、あん団子を串に刺さずに箱詰めにしたものだ。
 朝は4時から、その日の団子作りを始める。団子がつきあがると、家族みんなで串を刺す。
 「団子は生ものですから、この朝の作業だけは変わりませんね」

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