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もっと“木の声”に耳を傾けよう
樹木医 岩谷美苗さん
樹木医とは木のお医者さんである。各地の古木や銘木の健康管理をはじめ、街路樹などの状態を調査して具体的な改善策を考える。木自身がもつ治癒力を最大に引き出すことを治療の基本とし、必要に応じて肥料をやったり、地面に穴を開け、土を柔らかくしたりもする。
樹木医の資格は、(財)日本緑化センターが創設し、現在約900人が活躍中。岩谷さんも、その一人だ。
「木は、どんな厳しい環境にあっても、最後まで生きることをあきらめないんです」
カチカチの固い土にも根をはるし、道路の割れ目からも芽を出す。
「木は声を出せません。だからこそ、もっと私たちが注意して声にならない“木の声”を聞き取ってやらなければいけないと思うんです」
どうすることが木のためになるのか。人間の都合ではなく、木の立場で考えてみる。それが木を守り育てる一歩だと岩谷さんは話す。
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