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自然の模倣から「気配」のデザインへ
近年では、サンクンガーデンやガラスアーケードを巧みに用いて、地下にありながら天空の光を取り込む工夫をするところが多い。また花壇を設けて、公園のように演出する通路の例もある。地下にいる圧迫感を減らすために、水や光、緑などの自然が取り込まれてきたのだ。
今後、どのような地下街が生まれるのだろうか。デザイナーたちは、光の演出に可能性を求めている。日本の地下街では、これまでは壁や天井を均質に、十分に明るくすることを重視してきた。太陽を思わせる色合いの照明を用意して、地上を擬似的に再現することに力を入れてきた。しかし、これからは「明るさ」だけではなく、「暗さ」を含めた演出が求められることだろう。
照明だけに限らない。音や風、香りの演出でも、さらに芸術性の高い演出が考えられて良い。地下街は人工的な環境である。だからこそ、これまでは機能的で、利用者の安全を第一に考え設計されてきた。しかしこれからはそれに加えて、人びとの感性に訴え「心地よさ」や「気配」を重視するものに転じてゆくことが必要になっている。
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