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神田川地下調整池
神田川は東京都心部を西から東へ横切る全長約25kmの小さな川。しかし、この川は古くから東京の「暴れ川」とも言われ、たびたび氾濫を起こしてきた。都心の住宅密集地を流れるために被害も大きく、大きな台風や集中豪雨のたびに、数千戸の住宅が浸水被害にあってきた。その解決策として建設が進んでいるのが、神田川地下調整池だ。
池と名はつくものの、実際は幹線道路の地下に延びた一本の巨大トンネル。都市河川は川幅を広げる改修が困難なため、集中豪雨などであふれ出た水をこの地下トンネルに一時的に貯めるという仕組み。1980年代に、地下40m、直径13m、長さ4.5kmのトンネル工事に着工。97年には2km分が完成し、24万m2の水を取り入れられるようになった。これは1時間に50mmの集中豪雨に耐えられる規模で、現在までに十数回の取水が行われたが、周辺には一度も氾濫が起こっていない。将来はトンネルを東京湾まで延長し、第二の神田川として機能させる計画だ。
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