麹造り  
天野屋・天野彌一さん
 東京の中心地、千代田区外神田の由緒ある神社、神田明神。その鳥居の左脇に店を構えるのが、創業160年を超える老舗、「甘酒処」天野屋だ。甘酒は、米と麹菌で造る発酵飲料で、17世紀頃から庶民の甘味として親しまれてきた。
 「もともとは麹屋だったんです。麹を作るかたわらで甘酒も造って、店で飲ませていたんですよ」と、5代目の天野彌一さんは言う。
 麹とは、蒸した米などの穀物に麹菌(カビの一種)を繁殖させたもので、お酒を造るのに欠かせない。天野屋では、今も創業時と同様に土室で麹を作っている。
 蒸し上げた米に麹菌を繁殖させ、広さ30m2、約6mの深さに掘った土室に4日間置いておく。すると、とても質のいい麹ができる。土室が麹菌にとって最高の揺りかごとなるのだ。「土は、麹に最適な湿度に調整してくれるし、温度も一度火入れして30℃に上げておくと、その温度を保ってくれるんです」
 いま土室で麹を育てているのは、天野屋一軒だけになった。
 http://www.oldclock.com(日本語版のみ)

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