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最近、狂言を見に行く若者が増えている。その理由は、魅力的な若い狂言師たちが登場したからだ。人気の火付け役は、活動の中心を京都に置く大蔵流・茂山家の若手狂言師たち。
茂山家の若手の中でまず注目を集めたのは、茂山宗彦さん(27歳)と逸平さん(23歳)の兄弟。彼らはテレビドラマやミュージカルなど、狂言以外の分野でも活躍していた。そこで二人の“本職”にも興味をもった若者たちが、茂山家の公演に通ううちに、他の若手狂言師たちにも魅了され、人気が広がったというわけだ。
しかし、茂山家の若手狂言師たちは、ブームを冷静に見ていた。
「自分たちの今の人気は、狂言の実力によるものではない。ここでいい気になるのではなく、改めて自分たちの本職である狂言を勉強しよう」
そして2000年、若手6人で結成した狂言の勉強会が「TOPPA!」である。
本来、狂言師としての第一歩は、所属する家で、師匠から演技体系や台本を学ぶことに始まる。そして家に伝わる独特の芸を習い、受け継いでいく。しかし彼らは、さらに研鑚する場を自分たちで作り出し、腕を上げようと考えたのだ。
彼らの目標はあくまで、伝統的な古典狂言を受け継ぐための実力をつけること。その上、公演は喜劇として楽しんでもらえるよう心掛けている。
「狂言は娯楽ですから、まず人に見ていただくことが第一。能楽堂だけでなく、修学旅行で京都に来た学生さんが泊まる旅館や、結婚式の余興で演じるなど、さまざまな場所で行うことで、お客さんの間口を広げていきたい」
宗彦さんと逸平さんに、伝統芸能を受け継ぐ者としての志を聞いてみた。
「私たちの使命は、茂山家に伝わる狂言を残していくこと。楽しいものを楽しいものとして演じれば、次の世代に伝わっていくと思います」
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