特集
30年間の研究の末、マグロの完全養殖も間近!?
 年々、沿岸漁業の水揚げが減少するなか、食料確保のために、養殖への期待は大きい。水産資源保護のためにも、より計画的な養殖を進めるためにも、稚魚の人工ふ化から始める「完全養殖」が望まれている。タイやフグ、ヒラメなどは、約20年ほど前にその技術が完成し、完全養殖が行われてきた。だが回遊魚のハマチは人工ふ化させるのが難しく、天然の稚魚に頼らざるを得ないのが現状だ。
 ハマチのふ化の研究が進む一方、近畿大学水産研究所では、回遊魚の代表であるマグロの完全養殖実現の扉を開こうとしている。すでに体長1mくらいに育った成魚が、研究所のいけすで泳いでいる。  「天然のクロマグロから採取した卵を人工ふ化させて育てたものです」
 と所長の熊井英水さんは言う。30年間の試行錯誤の末、ようやくここまでたどりついた。いけすのマグロが産んだ卵をふ化させることができれば、完全養殖の目処がたつという。ハマチ、タイ以上に、日本人が好むマグロも、養殖で安定供給される時代がやってこようとしているのだ。

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