さらにユニークなのは、今や日本の代表的文化である漫画が読める店「漫画喫茶」だ。本の街、東京・神田神保町にある「東京漫画探偵団」は蔵書約2万冊(2001年11月現在)。料金は時間制で、飲み物は飲み放題。食べ物の持ち込みも自由なので、漫画を読みながら弁当を食べる人もいて、過ごし方もそれぞれである。
一方、喫茶店の中で、特に成長著しいのは、セルフサービスのコーヒー店である。その草分けであるドトールコーヒーは、1980年に1号店を開店。それまでの喫茶店の約半分の価格で、おいしいコーヒーを提供する店として人びとに歓迎され、今では、首都圏を中心に店舗数826店(2001年11月末)に拡大している。そして、96年、スターバックスコーヒーがアメリカから上陸。エスプレッソを基本にしたさまざまな種類のコーヒーメニューとファッション性で、若者を中心に絶大な人気を得た。これらセルフサービスの店が急成長する中、喫茶店の総数は81年の15万4630店をピークに99年には9万4251店になり(総務庁調べ)、個人経営の店を中心に減少している。
そんな中、都市部ではここ数年、「カフェ」と呼ばれる店が増えている。料理、インテリア、音楽などオーナーの趣味を店の空間で表現し、訪れる人はその雰囲気も楽しむ。東京・南青山にある「七面鳥カフェ」では、オーナーの趣味の椅子やソファが配置され、厳選された音楽が流される。そして素材を生かした手作り料理がテーブルに並ぶ。「あらゆる意味で快適な空間を提供することを大切にしたい」とオーナーの相馬知江美さん。
日本の喫茶店は、多種多様。日本人は目的に合わせ使い分けて利用する。どちらにしても、それぞれの空間が訪れる人に安らぎを与えてくれる場所であることに変わりはない。