戦争の“悲しき忘れ物”である対人地雷。この対人地雷処理機の開発に、山梨日立建機が取り組んだのは、1995年のことだった。
「世界には1億数千万個もの対人地雷が埋まっているといわれています。手作業で除去していては、この問題は何年かかっても解決できないと思ったんです」。そう話すのは、社長の雨宮清さんだ。「他社でやらないならウチでやろう」と決めた雨宮さんの判断で開発が始まった。
地雷原は、長い時間が経過して荒れ地になっていたり、潅木などが繁っていることが多く、それが地雷除去をさらに困難にしている。そこで、地雷処理と同時に、その跡地を農地として開拓することもできる機械を作ろうという発想が生まれた。
油圧ショベルに付けた、高速で回転するロータリーカッターで、潅木も小石も、そして地雷さえも粉々にし、土を耕していくわけだ。
「苦労したのは、刃の材質と刃を接着する技術でした」(雨宮さん)
5年におよぶ研究の結果、“硬くて柔らかい”という矛盾する性質を備えた超合金の刃が開発された。また爆発時に起こる1000℃の高温にも耐える接着技術も編み出した。 この機械は、現在、カンボジア、アフガニスタン、ニカラグアで稼働している。