世界シェア6割の高級化粧筆
白鳳堂
文●福島恵美 写真●武田憲久
 筆作りで200年の歴史をもつ広島県熊野町は、日本一の筆の生産地。ここに工場を構え、高級化粧筆を製造しているのが白鳳堂だ。国内外の化粧品会社に商品を供給し、高級化粧筆の世界シェアは6割以上を占める。
 社長の高本和男さんは、もともとは絵筆などを製造する家に生まれた筆職人。しかし、筆作りの新たな可能性を高品質な化粧筆に求めて独立、1974年に白鳳堂を設立した。やがて、海外の大手化粧品ブランドへの売り込みが成功したのをきっかけに、海外で注目を集め、評判を高めた。今では多くのスーパーモデルが、白鳳堂の製品を愛用しているという。
「化粧筆は、肌に触れたときの感触のよさや化粧の美しい仕上がり具合が重要です。使う人がさまざまなメイクに挑戦してみたくなるような筆を作るのが理想ですね」と高本さん。
 化粧筆作りには、細かく分けると80以上もの工程がある。毛の油分を抜き取り、まっすぐ伸ばすために熱を加え、毛を揉む作業などには、日本の伝統的な筆作りの技術が生かされている。最終的に社長自らが全ての筆に目を通し、1本の逆毛も見逃さずに抜き取る。「これまでに返品が一度もない」という自慢の化粧筆だ。

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