世界中の写真現像所で使われている写真処理機器のうち、約半数を占めるノーリツ鋼機製の機器。QSS(クイック・サービス・システム)と呼ばれるこの機器は、1979年に販売が開始され、写真焼き付けの大幅な時間短縮を実現した。
「従来は写真店から大型の現像所へフィルムを送り、焼き付けていたため、撮った写真を目にするまで3〜4日かかりました。しかし、それをすぐに焼き付けできるのがQSSなのです」(同社研究開発本部・東祥史さん)
QSSの技術の画期的なところは、別々の機械で行っていた現像・焼き付けといった工程を1台の写真処理機で実現した点。しかもさほどスペースをとらないので、小規模な写真店にも設置することができる。創業者で現社長の西本貫一さんは、第2次世界大戦後、和歌山市内で小さな写真館を始め、作業の効率化を図るために数々の機器を発明した。その代表格ともいえるQSSの第1号機は、カナダにあるナイアガラの滝近くの写真店に置かれ、観光客の間で大好評となった。日本発の技術は最初に海外で話題を呼び、今や世界中の現像所で使われている。