特集
オルゴールの音色を世界に響かせた技術
三協精機製作所
文●福光 恵 写真●吉原朱美 
 「東洋のスイスを目指そう」
 そんな 志 から、三協精機製作所が自社製オルゴールの第1号を作ったのは、第2次世界大戦後まもない1946年のこと。曲目は、童謡「ちょうちょ」だった。数年後、それまで手作業でしか作れなかったオルゴールの大量生産に、世界で初めて成功した。最盛期の1990年前後には世界市場の90%を、現在でも50%近くを同社製のオルゴールが占めている。
 「19世紀にスイスで生まれたオルゴールは、曲を奏でる突起をすべて手作業で打ち込んでいました。それを、裏面から機械で叩いて突起にする技術を開発したことで、大量生産が可能になったのです。これによって、高価だったオルゴールが、庶民にも楽しめるものになりました」(広報課・山田顕広さん)
 音源部分のほかにも、最後まで同じ速度で回るゼンマイの開発、さらには楽曲の編曲まで、オルゴールを製造する中で、さまざまな技術が同社に生まれた。現在は産業用ロボットなどを手がけるほか、オルゴール向けに編曲された楽曲を、携帯電話の着信メロディとして販売し、話題を呼んでいる。

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