なぜ今、炭が注目されているのだろう
燃料としての炭が見直される一方で、炭の特性を生かした別の使いみちも注目されている。炭は、縦横に無数の孔を持っていて、炭1gの表面積はおよそ250m2にもなる。この孔には、いろいろな物質をくっつける作用と、いったん吸収した物質を放す作用がある。湿気の多いときには湿気を吸い取り、乾燥したときには湿気を出すというすぐれた性質を発揮するのだ。こういった性質は水分に対してだけではなく、炭には部屋のにおいや有害物質などを取り除く作用もある。さらには、気分を楽にさせるマイナスイオン効果、血行をよくする遠赤外線効果など、炭には便利な性質がたくさんあるのだ。これらの性質を組み合わせて利用することで、飲料水や風呂水の浄化、野菜などの鮮度保持、土壌改良材、住宅の壁や床などの調湿材、消臭材など、さまざまな炭の活用法が研究され、その特性を生かした製品が生み出されている。 木炭のほかには、竹を炭化した竹炭もあり、木炭よりも孔が多いため吸着効果がさらに高くなるといわれ、脱臭や吸湿といった性質を生かした利用が増えている。また木酢液も活用されている。木酢液とは、炭焼きするときに出た煙を冷やして作られる液体で、抗菌、消臭に効果的で、農業用の防虫剤をはじめ、入浴剤や健康・美容への活用も広がっている。 実際に家庭で炭を使う場合、どんな炭をどのくらいの量で使ったらいいのだろうか。 「高温で焼かれた備長炭はアルカリ性で飲料水用には適しています。水に入れても堅く粉が出にくく、塩素などの有害物質を取り除いてくれます。水道水1リットルに備長炭50〜60gを入れると、ミネラル効果も加わり、まろやかなおいしい水になります。6〜8畳(約10〜13m2)の部屋の調湿・消臭用なら8kgの炭が必要です」と(株)増田屋の増田聡さん。 炭はすぐれた効果を持ち、使い終わったら、自然に返すことができて、環境にもやさしい。今後の研究によって、さらなる炭の可能性が広がっていくだろう。

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