コンビニエンス・ストアは、アメリカで生まれた小型スーパーマーケットだ。従来のスーパーマーケットよりも規模はかなり小さいが、食料品や日用雑貨をはじめ、雑誌や文具、衣料品まで、生活必需品ならたいていのものがそろう便利な店。そのコンビニが初めて日本に登場したのは、高度経済成長の真っただ中にあった1969年のことである。品ぞろえのよさと、年中無休で、朝7時から夜11時まで開いている便利さがうけて、コンビニは日本人に受け入れられた。さらに、日本人の生活形態の変化にともなって、多くの店が24時間営業になり、コンビニは日本中に広がっていった。
日本のコンビニの多くも、アメリカのコンビニと同じように、商品の物流やサービス方法などを企業が提供するかわりに、加盟する各店舗は特約料や手数料を支払うというフランチャイズ・チェーン・システムで営まれている。現在では、60ほどのフランチャイズ・チェーンが、全国に合計約3万8000店(フランチャイズ以外のチェーンを含めると約5万店)も展開している。店が密集している地域では、ほんの数分歩くうちに3〜4軒のコンビニに出くわすことも珍しくないほどだ。
日本で、コンビニがこれほどまでに増えたのは、1982年以降、各コンビニ・チェーンが導入し始めたPOS(Point of Sales)という販売情報を管理するシステムに負うところが大きい。POSとは、会計の際に、商品についているバーコードに記録された商品コード、値段などの情報を専用の機械で読み取り、さらに購入した人の年齢層などの情報をレジスターに打ち込むことで、その店で「いつ、どんな人が、何をいくつ買ったか」という情報が集められるシステムのことである。
各チェーンの本部では、POSデータから、店ごとによく売れる商品と売れない商品を見極め、売れ筋商品だけを発注する。これを繰り返していくと、店には常によく売れる商品が並ぶようになる仕組みだ。また、いつ何個売れたかというPOSデータから、弁当類は1日3回、朝6時・昼11時・夕方4時とか、飲み物は週6回、菓子・冷凍食品などは週3回というように、商品の配達にもっとも効率的な頻度や時間が決められている。POSの導入により、客の側からすると、そのコンビニに「いつ行っても自分の買いたい商品がある」という状況が実現された。また、店の側から見れば、時代や土地柄に合った品ぞろえが可能になったのである。
多くのコンビニの売り場面積は、わずか100u程度しかない。その広さでは、3000種類ほどの商品を置くのが精いっぱいだ。にもかかわらず、毎日の暮らしの必需品が必ずそろっているコンビニは、日本人にとって、その名のとおり「便利」な店となっている。
日本のコンビニは、POSをはじめとする先進の技術を取り入れ、消費者の望んでいることをうまく反映しながら売り上げや店の数を伸ばしている。日本人の生活にコンビニは、欠かせない店になりつつあるのだ。