「Jリーグ」は、1993年の開幕以来、多くのサッカーファンを魅了している日本のプロサッカーリーグだ。そんなJリーグに、新たな楽しみが加わった。ヨーロッパで盛んな「サッカーくじ」の日本版といえる「スポーツ振興くじtoto」の発売が、2001年3月から始まったのだ。すでに20代を中心に、totoは大きな話題となっており、予想以上の売れ行きをみせている。
「爆発的に売れています。購入者にアンケートしたところ、意外なことに宝くじや競馬などを一度もやったことがない人が多かったんです。試合結果を推理する楽しみがあり、当たったら高額の賞金をもらえることが人気の理由でしょう。totoは、これまでの日本になかった、新しい方式のくじなのです」
と話すのは、totoの主催団体である日本体育・学校健康センターの田村幸男さん。現在の調子で売れ続ければ、年間売り上げは目標額を超え、約900億円にも達する。さらに、今後も販売店の整備が進められ、2001年末には9000店ぐらいになるという。totoの魅力が、より多くの人たちに理解されるようになれば、売り上げはさらに伸びるに違いない。
ちなみにtotoの仕組みは、イタリアのトトカルチョとほぼ同じ。1口100円で、Jリーグの公式試合のうち、指定された13試合の「勝ち・負け・引き分け」を予想する。賞金は当選口数によって決まるが、全試合的中の1等の場合、過去12回の平均額は約3600万円、最高は1億円と高額だ。
また、totoを語るうえで忘れてはならないのが、収益の使い道。当選金と必要経費を除いた収益の全額が、スポーツ振興に使われるように法律で決められているのだ。すなわち設備投資や指導者の育成などに充てられるのだが、日本の場合、ほとんどの小中学校にはプールのほか、グラウンドやバスケットボールなどのコートを完備した体育館があり、一般に開放されている。そこでtotoの収益は、これらの施設を生かしながら、人びとが集うクラブハウスなどの設備を充実させ、優秀な指導者も育てて、国民全員が参加できるスポーツ環境を作る財源に充てられるのだ。さらに言えば、こうした中からオリンピックなどの国際大会で、メダルが獲得できる優れた選手が現れることも期待されている。


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