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しかし、この日本型のスポーツ組織には大きな問題があった。それは、好景気のときは企業もスポーツに力を入れるが、不況になり、企業の業績が落ちると、社内改革の一環として、企業スポーツクラブが休部や廃部に追い込まれる、ということである。実際、バブル経済崩壊後、日本では数多くの企業スポーツクラブが解散し続けている。
そんななかで、最近は、欧米のような地域社会に根差したスポーツクラブ――地域住民が自由に参加でき、一流選手もトレーニングできるような施設や指導体制の整ったクラブ――を創設しようという気運が高まっている。
1993年に開幕したサッカーのJリーグも、そのような地域社会に根差したスポーツクラブを目指しており、東京ヴェルディ1969のバレーボールや、モンテディオ山形の駅伝のように、サッカー以外のスポーツチームを持つクラブも現れるようになった。また、アイスホッケーの日光アイスバックス(旧・古河電工)やラグビーの釜石シーウェイブスRFC(旧・新日鐵釜石)のように、休部や廃部になった企業のチームが、市民クラブとして再生しようとしている例もある。
2002年のワールドカップのため、日本各地に素晴らしいスタジアムや練習場(キャンプ地)が建設された。ワールドカップ終了後、それらの施設は、どのように市民クラブによって利用されるのか? ワールドカップをきっかけに、日本に「スポーツ文化」というものが根付き、発展するためには、これらを有効に活用することから始めなければならない。
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