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料理という日本文化
いただきます 日本の国民食になった 中国の麺
ラーメン
文●岸 朝子(料理記者) 写真●河野利彦
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手前:こってりと濁ったスープのラーメンが主流の昨今、希少ともいえる、昔ながらのさっぱり味の醤油ラーメン。 奥:ねぎ味噌ラーメン
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うどんやそばをはじめ、麺類には目がない日本人。中でもラーメンは若者を中心に人気が高く、今や国民食ともいえる地位を確立している。
ラーメンはもともと中国の麺で、日本では中華そばと呼ばれてきた。日本で食べられるようになったのは、中国料理が普及し始めた1910年代頃といわれる。当時は、小麦粉で作った中国風の麺に醤油味のスープ、具は焼豚、鳴戸かまぼこ、メンマ(筍の中国風漬物)、ほうれん草や小松菜などの野菜といったシンプルなそばが、わずかに屋台などで食べられる程度だった。 中国風の麺は、かん水(アルカリ溶液)を加えて練り上げた小麦粉を棒状にまとめ、細く延ばして二つに折る。さらに延ばして折る作業を何度も繰り返すうちに、細い麺が誕生する。私も上海でその作り方を学んだが、1本が2本に、2本が4本になり、実に面白い工程であった。色々な説があり正確には不明だが、このようにして作るラーメンの語源は「拉麺」、すなわち延ばした麺という見方が強い。 第2次世界大戦後しばらくたった1950年代、中国大陸から引き揚げてきた人が北海道で始めた「札幌ラーメン」が評判になったことから、ラーメンという呼び名が広まった。80年代までには、若者に限らず、広い層での日常食としてすっかり定着し、90年代初頭、日本は大都市圏を中心とした空前のラーメンブームを迎えることになる。これを機にメディアもこぞって特集を組むなど、単なるグルメブームとは呼べない熱狂ぶりで、日本中の誰もが「おいしいラーメン」が食べられる店を探すのに、夢中になったのだった。 |
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調理はラーメン専門店「ぺぺ」の店主、上原真勝さん。28年前の創業以来変わらない味の、関東風醤油ラーメンを提供している。オフィス街の立地ゆえ、お客さんの大半がビジネスマンだが、近隣のホテルに宿泊する外国人の常連客も多いという
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