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ハイテクジャパン

歯の銀行


健康な歯でおいしいゴハンをたべる!


 人間が、おいしく食べ物を食べられるのは、口の中にしっかりとした歯が生えているからです。もし虫歯や老化で歯がなくなってしまったら、大好きな食べ物も食べられなくなってしまいます。歯は、たんに食べ物をかみ砕く(くだく)だけでなく、その食べ物本来の味をあじわうために大きな役割を果たしているのです。


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(C)THREE BRACKETS Corporation.



自分の歯を預ける歯の銀行?


 一生健康な歯で過ごすには、何よりこまめに歯を磨き口のなかの手入れをかかさないことが一番なのはいうまでもありません。しかし、いくら気をつけていても虫歯になってしまったり、突然の事故などで歯を失うかもしれません。そんな時に役に立つのが、矯正治療(きょうせいちりょう)など何らかの治療の一環で抜かれた自分の歯を、食品の鮮度を保つのにも使われている特殊(とくしゅ)な技術で冷凍保存(マイナス150℃)し、最長40年ものあいだ預けておくことのできるシステム、「歯の銀行(ティースバンク)」なのです。この歯の銀行は、日本の広島大学で、世界に先駆けて開発された技術を元に、同大学キャンパス内に設立されたベンチャー企業により運営されるサービスとなっています。ちなみに、保存できる歯は、健康な状態の「親知らず」と「小臼歯」に限られており、歯の根っこの周りの組織(歯根膜)が機能してる状態でなければなりません。


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(C)THREE BRACKETS Corporation.



"かみ応え"よみがえる、歯の移植が可能!


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(C)THREE BRACKETS Corporation.

これまで、歯の再生治療を行う場合には、入れ歯や歯に模した人工的な素材を埋め込む(インプラント)などが一般的でした。しかし、「歯の銀行」を利用すれば、あらかじめ預けてあった自分の歯を、抜けた歯の部分に移植し復活させることができるのです。この歯の移植による最大のメリットは、歯根膜の組織から神経や血管が再生することで元の歯と同じように"かみ応え"(約7割程度)がよみがえることだとされています。なお、保存した親知らずは形を整えて小臼歯や奥歯に、小臼歯は下の前歯以外の歯に代用できるそうです。


まだまだ、一般的な治療方法ではない歯の銀行(ティースバンク)ですが、近い将来「歯は、銀行に預けるもの!」が常識になるかもしれません。



(2009年7月更新)