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不思議な楽器でコンサート 音楽を身近にする演奏機器


パート2

楽譜なんて怖くない

手書きの五線譜をスキャナーでなぞるだけでメロディーが奏でられる「Gocen」(首都大学東京・馬場哲晃助教 提供)

手書きの五線譜をスキャナーでなぞるだけでメロディーが奏でられる「Gocen」(首都大学東京・馬場哲晃助教 提供)

 楽器の演奏や作曲に興味はあるけれど、楽譜を理解するのが苦手という人も多いはずです。そこで日本では、そんな人でも楽譜を簡単に読むことができる画期的な装置が開発されています。手書きの五線譜をスキャナーで読み取るだけで、ピアノやバイオリン、ギターなど16種類もの楽器の音が出せる装置「Gocen」です。


 この装置は、東京都内の大学助教が開発しました。楽器を選ぶには、楽器の種類を紙に書いて読み込むだけです。スキャナーを微妙に動かすだけで、音の長さや揺れを変えることができます。作曲したての曲の楽譜を使って、机の上で自分だけの演奏会を開いてはどうでしょうか。


誰でも簡単に演奏法が身につけられる電子楽器「オタマトーン」 誰でも簡単に演奏法が身につけられる電子楽器「オタマトーン」 © 吉本興業・明和電機
人間の声の出し方をロボット化して作られた「セーモンズ」。オタマトーン開発のきっかけになった 人間の声の出し方をロボット化して作られた「セーモンズ」。オタマトーン開発のきっかけになった 
© 吉本興業・明和電機


感じたままの音楽を奏でる

 「人間が声を出す仕組みを機械で作ってみよう」。東京の玩具メーカーが開発したおもちゃ「オタマトーン」は、そんな好奇心から生まれました。音符のような可愛らしい形をしていますが、棒の部分を片手で抑えて、上下にスライドさせるだけで、誰でも演奏ができる電子楽器です。まるい顔の部分の口の開き方を変えるだけで音の大きさが調節でき、震える音や、ワウワウと響くエレキギターのエフェクターのような音を出す高等テクニックも、簡単に身につけられてしまいます。海外向けにも販売されていて、2014年中には鍵盤のように正確な音が出せるデジタル式の発売も計画中です。


「にんげんがっき」は、触って、お互いにタッチするだけで音が出せる不思議なおもちゃ

「にんげんがっき」は、触って、お互いにタッチするだけで音が出せる不思議なおもちゃ © 株式会社タカラトミーアーツ

 別の玩具メーカーが開発した全長9.5㌢のヒト型をしたおもちゃ「にんげんがっき」は、おもちゃを手に持った人同士が、お互いの手やほお、おでこなどの肌に触れるだけで、音やメロディーを演奏できる不思議さが評判です。両手足4カ所にある電極スイッチを持つと、とても弱い電流が触った人の体内を流れて音が出る仕組みで音が出せるのです。最初から組み込まれている10曲を1音ずつ音の出し方を工夫しながら演奏してみたり、ドラムやシンバルなどパートを分けて本格的なドラム演奏をしてみたり、動物の声や金属の効果音を鳴らしてみたりと、3つのモードが楽しめます。演奏した曲を採点する機能も付いていて、ゲーム感覚で遊ぶこともできます。


 こうしたおもちゃがあれば、楽器や楽譜が難しいと思っていた人でも、自然に興味がわいて、演奏にチャレンジしてみたくなるに違いありません。


(2013年11月更新)