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グラビティ・グラバー


日本の2つの大学から生まれた驚くべき新触覚ディスプレイ


GravityGrabber

©慶應義塾大学・東京大学 舘研究室

「東京ゲームショウ2009」では、来場者が次々と不思議な感覚を楽しみました。

入れ物の中は空なのに、まるで何かが入っているような、何とも不思議な感覚が味わえる---それが、慶應義塾大学大学院・舘(たち)研究室と東京大学大学院・川上研究室の研究により開発された注目の新しい触覚ディスプレイ、「グラビティ・グラバー」です。 「東京ゲームショウ2009」に展示され、テレビやウェブ上のニュースで話題となりました。さらに、日本だけでなく、外国のメディアからも取材の申し込みや問い合わせがたくさん寄せられ、「グラビティ・グラバー」は、世界中から注目されるようになりました。



グラビティ・グラバーの不思議(ふしぎ)な感覚の仕組みとは?


触覚ディスプレイは、使い手のつかむ、押す、なでるといった行動に対して手や指にかかる力を再現することで、実際には存在しない物体の重さや動きを伝える仕組みです。


グラビティ・グラバーの仕組み

最初に小さな「グラビティ・グラバー」の装置を指先に装着(そうちゃく)します。指先に装着(そうちゃく)した装置の位置を赤外線(せきがいせん)センサーが計算します。同時に傾(かたむ)き加減を加速度センサーで検知するなどして計算し、それに応じて2つのモーターがベルトを巻き取ることで力を伝えます。


例えば、「グラビティ・グラバー」の装置を装着してパソコン画面に映っているモノを指でつまむ動作をすると、装置を通して指先に圧力が伝わり、まるで本当につまんでいるかのように感じられます。また、空(から)の箱を持って左右に振ってみましょう。すると、 空箱の中でボールがまるで弾んでいるような感覚がします。パソコン画面の中で箱に入ったボールが弾むのに合わせて、空箱の中でボールがあたかも弾んでいるような感覚がするのです。


GravityGrabber

©慶應義塾大学・東京大学 舘研究室

小さな装置を指先に装着して使います。



GravityGrabber

©慶應義塾大学・東京大学 舘研究室

指を押す力が発生する時には2つのモーターはベルトを巻き取るように動き、指を横に引く力が発生する時には、2つのモーターは左右にずらすように動き、指先に力が伝わり、実際にはない重さや動きとして感じることができます。



GravityGrabber

©慶應義塾大学・東京大学 舘研究室

持っているのは空の箱ですが、パソコン画面に写っている箱のように、まるで中にボールが入っているような感覚がします。



「グラビティ・グラバー」がテレビゲームをより迫真的に


いま、テレビゲームではデュアルショック(ソニー・コンピュータエンタテインメント)やWiiリモコン(任天堂)など、「振動」するゲーム用コントローラーが普及してきています。しかし、「触った感じ」や「持った感じ」を伝えるまでには至っていません。
テレビゲームに「グラビティ・グラバー」の技術を応用すれば、それらの感覚を伝える事が出来ます。例えばパズルゲームでは、ブロックをつまんで積(つ)み上げると、実際に指先でブロックをつまんでいるように感じられるのです!
テレビゲームの面白さは飛躍的(ひやくてき)に向上し、もっと胸おどるようなプレイが楽しめるはずです。


GravityGrabber

©慶應義塾大学・東京大学 舘研究室

子どもたちは「グラビティ・グラバー」の驚くほど現実的な感覚にびっくりしながらも興味津々(きょうみしんしん)です。



(2010年2月更新)