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ハイテクジャパン

宇宙エレベーター


エレベーターに乗るだけで、宇宙に行けるなんて想像できる?


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 この夢のようなアイデアを実現しようと、科学者らが取り組んでいます。今から20〜30年後、エレベーターに乗るだけで、だれでも宇宙に行ける可能性があります。赤道上の高度3万6,000kmを回る人工衛星からエレベーターの「ベルト」となるケーブルをたらして上下する構想です。


 地球を回る人工衛生には2つの力が加わっています。1つは引力で、地球の方向へ引っ張ろうとする力です。もう1つは遠心力で、地球の外側へ引っ張ろうとする力です。引力と遠心力がつり合う距離(きょり)を軌道(きどう)として周回する人工衛星は、一定の高度を保って回り続けることができます。このため「静止衛星」と呼ばれます。


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宇宙エレベーターがベルトを登る実験装置

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宇宙エレベーターの構造モデルづくり

 宇宙エレベーターづくりは、材料、エレベーター、ロボットという、すでにある技術の組み合わせで可能になります。日本の得意な技術分野でもあるので、宇宙エレベーターの構想は夢ではありません。


 カーボンナノチューブという材料


 1991年に日本人の科学者が発見しました。炭素の原子からなる、小さな筒(つつ)の形をしています。それまでの材料と比べて、軽くて強度があります。電導性が高いので、カーボンナノチューブ製のベルトを使うことで、エレベーターを動かすエネルギー源を伝える役割もはたします。


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ベルトと実験装置

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重りを落とす落下棟(らっかとう)

 カーボンナノチューブ製ベルトの上に、100kgの重りを16mほどの高さから自由落下させて、衝撃(しょうげき)に対するベルトの強度を実験します。


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未来の宇宙旅行は?


 宇宙エレベーターを中心軸(じく)に、その周りを囲って真空トンネルを作り、トンネルの中を飛んで宇宙へ行ける乗り物のアイデアが考えられています。これは、3万6,000kmの距離を10時間で移動できるような乗り物です。高速で移動するためには、人間の体が気圧の変化にどう対応できるのか、など解決すべきさまざまな課題があります。でも、未来の乗り物がどんな形になるのか楽しみですね。


写真提供 日本大学 青木義男教授


(2007年12月更新)