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ハイテクジャパン

デジタルペン


紙とペンでコンピューターにデータ入力ができる!?


Digital Pens

©Pentel Co., Ltd.

手書き文字をデータ化する方法には、超音波方式、アノト方式などがあります。超音波方式では、ペン先から超音波と赤外線を同時に発信し、受信装置がそれぞれを受信する時間差からペンの動きを割り出します。デジタルペンと受信装置の簡単な仕組みで専門紙が不要なため、手軽で使いやすいのが特徴です。

皆さんは、デジタルペンを知っていますか? 手書きした文字や絵などをそのままデータ化してくれるペンです。ボールペンに電子回路が内蔵されており、紙に書き込んだ内容をパソコンに送信し、保存することができます。この画期的なペンの登場により、これまでのように紙をスキャンして電子データ化する必要がなくなったのです。
デジタルペンは既に日本をはじめ、ヨーロッパやアメリカなどの世界各国で利用されています。そして、日本の企業は、デジタルペンの技術と、自社が所有する高度な技術力を巧みに融合させることにより、独自の製品を開発しています。


筆記具の製造技術から開発された独自のデジタルペン「airpen(エアペン)」


Digital Pens

©Pentel Co., Ltd.

受信装置が手のひらに納まる大きさの「エアペン ミニ」は、持ち運びにも便利と好評です。

文具の製造・販売を手掛けている、ぺんてる株式会社が開発したのは、超音波方式による「airpen(エアペン)」シリーズです。かねて製造していたプリントシール機の画面に文字や絵を書き込む入力ペンの技術、さらには、60年以上にも及ぶ筆記具の製造技術と書きやすさへのこだわりから生まれました。1年半の開発期間を経て、握りやすさやスムーズな書き心地など、本来のボールペンに引けをとらない独自のデジタルペンを完成させたのです。ふだんの使い勝手とほぼ変わらずに使える手軽さから、ビジネスマンをはじめ、主婦や学生にも購入層が広がっています。


デジタルペンを組み込んだ多才なシステム開発もあります


一方、大日本印刷株式会社は、アノト方式デジタルペンを組み込んだ授業支援システム「OpenNOTE(オープンノート)」や、デジタルペン対応電子黒板「OpenSTAGE(オープンステージ)」などの製品を開発しました。アノト方式のデジタルペンは紙に印刷された特殊な配列のアノトドットパターンによって書いた文字や絵を記憶(きおく)することができ、さらにパソコンやサーバにその手書きデータを送ることが出来ます。このデジタルペンは普通のボールペンのように書けますが、ペン先にはカメラが内蔵されています。どのような紙でもアノトドットパターンが印刷されていればデジタルペンを使うことができます。電子黒板用のスクリーンへのドットパターンの印刷は、大判シートへの印刷と摩擦に対する耐久性が要求される、壁紙など建材分野の印刷技術を応用しています。また、記入内容を正しくデータ化し、表示するソフトウェアについては、長年の一般企業向けシステム開発の経験が活かされています。同社のもつ技術力がデジタルペンの機能性と結び付き、新たな付加価値のある製品を生み出したのです。


Digital Pens

©Dai Nippon Printing Co.,Ltd.

作業の効率化や環境問題を背景に情報のデータ化が進む一方で、日本には独特の手書き文化がまだ根強く残っています。その点、手書きとデータの利点を両立させたデジタルペンは、日本でさらなる発展を遂げる可能性を秘めています。



Digital Pens

©Dai Nippon Printing Co.,Ltd.

「OpenNOTE(オープンノート)」では、専用紙に生徒がデジタルペンで解答を書き込むと、瞬時に先生のパソコンに表示されます。クラス全員が意欲的に参加できる革新的な授業を実現し、すでに小中高校、大学など37の団体で導入されています。


Digital Pens

©Dai Nippon Printing Co.,Ltd.

デジタルペン対応電子黒板「OpenSTAGE(オープンステージ)」はシート状の専用スクリーンをくるくると巻いて簡単に持ち運べます。教材の内容を映し出したスクリーンに、解答や注意すべきポイントなどをデジタルペンで直接書き込んでデータを上書きできます。また、教材を専用紙に印刷すると、その紙から同様の操作ができます。先生と生徒がスクリーンと紙を使って相互に書き込めるので、より充実した授業になります。


©Pentel Co.,Ltd.©Dai Nippon Printing Co.,Ltd.©Anoto Group AB



(2010年3月更新)