![タブレットを使えば、いつでもどこでも気軽に勉強することができます。©すららネット](images/e-textbooks01.jpg)
タブレットを使えば、いつでもどこでも気軽に勉強することができます。©すららネット
「学校の授業がつまらない」、そう感じている人はいませんか? 実は日本でも、授業を退屈(たいくつ)に感じている生徒がいるという調査結果があります。その多くが「もっと興味のわく内容を教えてもらいたい」「自分のペースに合った授業を受けたい」と感じているそうです。こうした状態を解決するかぎになりそうなのが、最近導入されている「デジタル教科書」です。日本のデジタル教科書についてご紹介します。
パソコンやタブレットの普及(ふきゅう)がきっかけ
日本では、パソコンやタブレットを授業に使っていこうという方針が進められています。今では小中学校の生徒の6.4人に1人の割合で、パソコンやタブレットが割り当てられています。そして2020年までには、1人1台ずつ持つことを目指しています。
![パソコンやタブレットを使った勉強が、当たり前になってきました。 ©すららネット](images/e-textbooks02.jpg)
パソコンやタブレットを使った勉強が、当たり前になってきました。 ©すららネット
ゲームみたいに楽しい教材で、やる気アップ!
こうしたデジタル教科書には、どのような良さがあるのでしょうか。ひとつは、自分のレベルに合った学習ができることです。集団の授業では、どうしても個々の子どもたちの理解度に差が出てしまいます。しかしデジタル教科書であれば、それぞれちがう内容の課題をそれぞれのペースで学習することができるのです。
しかも、デジタル教科書は音声や動画などで説明を見ることができるので、文字だけの説明よりも理解しやすくなっています。また、図やグラフなどは画面上で動かしながら学ぶことができるので、自分で考えて答えを出す力を養うのにも役立ちます。デジタル教科書があると、自宅での勉強もより成果が上がるよう工夫されています。
![英語で日本の地理を勉強する教材。暗記シートで単語をかくしたり、マーカーで大切なか所をぬったりできます。また、自分の声を録音して発音をチェックすることも可能です。©東京書籍](images/e-textbooks03.jpg)
英語で日本の地理を勉強する教材。暗記シートで単語をかくしたり、マーカーで大切なか所をぬったりできます。また、自分の声を録音して発音をチェックすることも可能です。©東京書籍
![漁業について学ぶ社会の教材。文章の説明だけでは理解が難しい「まきあみ漁のしくみ」をアニメーションで解説することで、内容が理解しやすくなります。©東京書籍](images/e-textbooks04.jpg)
漁業について学ぶ社会の教材。文章の説明だけでは理解が難しい「まきあみ漁のしくみ」をアニメーションで解説することで、内容が理解しやすくなります。©東京書籍
![図形の面積について学ぶ算数の教材。右のメニューから選たくして図形をはさみで切ったり、コピーして増やすことができます。自分で思考する力を養います。©東京書籍](images/e-textbooks05.jpg)
図形の面積について学ぶ算数の教材。右のメニューから選たくして図形をはさみで切ったり、コピーして増やすことができます。自分で思考する力を養います。©東京書籍
また、ゲーム感覚で楽しく学習できるというのも、デジタル教科書ならではの面白さです。日本にある100校以上の学校と600校以上の学習塾(がくしゅうじゅく)で使われているあるオンライン教材は、キャラクターと対話しながら問題をクリアする形式が子どもたちから人気です。実際にこの教材を使用している子どもたちからは、「キャラクターが教えてくれるからあきずに続けられる」「説明がわかりやすいので集中して勉強ができる」と好評です。このデジタル教科書を使うようになって、成績が上がった子どもたちも多いと聞きます。苦手な科目でも、ゲームの要素があるとがんばることができるのです。
![算数の分数の問題。空らんに正しい数字を入れると解答にマルがつくだけでなく、キャラクターも動きで喜びを表現してくれます。こうした反応があるとさらにやる気がわいてきます。©すららネット](images/e-textbooks06.jpg)
算数の分数の問題。空らんに正しい数字を入れると解答にマルがつくだけでなく、キャラクターも動きで喜びを表現してくれます。こうした反応があるとさらにやる気がわいてきます。©すららネット
いつでも、どこでも、だれでもできるのが魅力
デジタル教科書の良さはほかにもあります。それはパソコンやタブレットがあれば、同じ内容の勉強をいつでもどこでも、そしてだれでも受けられることです。
最近は、日本以外の子どもたちも日本のデジタル教科書を使って勉強するようになっています。たとえば東南アジアでは、先生の数が不足していたり、学校によって教わる内容に差があったりと、勉強する環境(かんきょう)が整っていない地域があるそうです。こうした状況(じょうきょう)を改善するために、スリランカでデジタル教科書を使う学習塾(がくしゅうじゅく)が2015年に作られましたが、100名をこえる申しこみがありました。しかも、実際に授業を受けて学力が向上した生徒が多かったため、現在は13校に増えました。さらに、新たな学習塾(がくしゅうじゅく)を作る計画も進んでいるそうです。
![日本のデジタル教科書は、世界の国々でも人気です(スリランカの例)。 ©すららネット](images/e-textbooks07.jpg)
日本のデジタル教科書は、世界の国々でも人気です(スリランカの例)。 ©すららネット
日本から遠くはなれた場所にいる子どもたちが、日本の子どもたちと同じようにデジタル教科書で勉強していると思うと、なんだか不思議な感じがしませんか? しかしこれからの時代では、こうしたことが当たり前になるはずです。機会があれば、ぜひ日本のデジタル教科書を試してみてください。