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魚群探知機で魚を探せ!


魚群探知機という技術の登場で、科学的な漁法へ大きく発展しました。

魚群探知機という技術の登場で、科学的な漁法へ大きく発展しました。

みなさん、魚は好きですか? スーパーやレストランなど、魚はいろいろなお店で買えたり、食べられたりします。 そんなたくさんの魚を漁師(りょうし)は、どうやってとっているのでしょうか。

漁師の仕事を助ける画期的な機械

 漁師たちは、ただあてもなく広い海に乗り出していくわけではありません。技術と経験を頼りに「このあたりに魚の群れがいるはずだ」という見当をつけて船を出します。どのように魚の群れを見つけるのでしょう。

 漁師に「このあたりに魚がたくさんいるはずだ」ということを教えてくれるのが「魚群探知機(ぎょぐんたんちき)」という機械です。

魚群探知機はやまびこと同じ仕組み

魚群探知機の仕組み

(1)ボートの船底に取り付けたセンサーで超音波を送受信します。

(1)ボートの船底に取り付けたセンサーで超音波を送受信します。

(2)超音波が進んで行く途中に魚群などがいる場合は、超音波が跳ね返ってきます。

(2)超音波が進んで行く途中に魚群などがいる場合は、超音波が跳ね返ってきます。

(3)超音波が跳ね返ってくる時間から、魚がどれぐらいの深さにいるかを計算します。(協力:古野電気株式会社)

(3)超音波が跳ね返ってくる時間から、魚がどれぐらいの深さにいるかを計算します。(協力:古野電気株式会社)

 この魚群探知機の仕組みは、実はやまびこと同じ原理です。登山のときなどに大きな声をだすと、向こうの山から少し遅れて返ってくるやまびこは、口から発した音が山や谷にぶつかって跳ね返ります。音は目には見えませんが、なにかの塊(かたまり)にぶつかるとそれ以上先に進めずに、壁に当てたボールのように戻ってきます。

 超音波は目に見えず、音が聞こえることもありませんが、やまびこと同様、音にぶつかったときと同じことが起こります。機器から発射された超音波などが、その途中で魚に当たると跳ね返ってきます。跳ね返ってくるまでの時間を計算すると、魚がいる位置がわかるのです。この跳ね返ってきた超音波から魚を見つける技術は、日本で最初に開発されました。

世界中で使われている魚群探知機
最新型の魚群探知機では、魚の大きさや、海底の岩なども表示することができ、釣りたい魚を探すことに役立ちます。(協力:古野電気株式会社)

最新型の魚群探知機では、魚の大きさや、海底の岩なども表示することができ、釣りたい魚を探すことに役立ちます。(協力:古野電気株式会社)

デジタルテクノロジーでノイズが少ない高品質な画像表現が可能になった魚群探知機。漁師だけではなく、釣りを趣味で楽しむ人々も活用しています。(協力:本多電子株式会社)

デジタルテクノロジーでノイズが少ない高品質な画像表現が可能になった魚群探知機。漁師だけではなく、釣りを趣味で楽しむ人々も活用しています。(協力:本多電子株式会社)

 魚群探知機は、今や日本だけでなく、世界中で使われています。しかし、最初に魚群探知機を開発した日本の会社は、なかなか漁師たちにその性能を信じてもらえず、魚群探知機の効果を証明するために漁船に乗りこんだこともあったそうです。

 現在、日本で魚群探知機を作っている企業はいくつかあり、それぞれが工夫を凝らしています。例えば、見つけたい魚の種類は漁師によって違いますよね。魚がたくさんいるところと、大きな魚が一匹でいるところなどを、くっきりと分けて表示する機能がついた魚群探知機では、欲しい魚の種類を画面で見分けることができるのです。

 他にも、超音波の出し方の違いがあります。360度、全部の方角に向けて超音波を出せるタイプもあれば、超音波を一方向にだけ出して、ぐるりと一周するタイプもあります。つまり漁師は、見つけたい魚の種類や魚を取る場所を魚群探知機の様々な機能を使って見つけだしているのです。

 魚群探知機は、それまで漁師の長年の経験と勘で行われていた漁業を大きく進化させた、革新的テクノロジーのひとつといえるでしょう。