「スクイーズ」というおもちゃを知っていますか?
日本の女の子たちを中心に大人気で、おとなにもファンがいます。
どんなおもちゃなのかというと、パンやケーキや野菜などの食べ物だったり、キャラクターだったり、いろいろな形や色をしていて、香りがついているものもありますが、感触は共通しています。柔らかくて、押すとへこむし、握るとつぶれます。でも、手をはなすと、ゆっくりと元の形にもどるんです。
柔らかさや香りや色、パッケージなどを向上させたスクイーズ
スクイーズは、もともと海外で作られたものですが、硬いポリウレタンを使った動物を題材にしたものが一般的でした。日本では、2000年代初頭に、 柔らかくていい香りがして色がきれいな食品型のスクイーズがつくられ、クレーンゲームの景品やストラップとしてヒットしたことから、おもちゃや雑貨としても販売されるようになりました。
単独の商品として販売されるようになると、さらに低反発で手触りがよく、おいしそうで、バリエーション豊かな香りやリアルな着色がほどこされ、パッケージも凝ったデザインへと進化して、ストレス解消にも良い癒やし系グッズとして、多くのファンを獲得しました。
ガラスケースの中のクレーンを操作して景品を獲得するクレーンゲーム。スクイーズはこのクレーンゲームから人気が出て商品化が進みました
ふわふわでぷにぷに、ふしぎな手触り
スクイーズは、おもちゃ屋さんや雑貨店、スクイーズ専門店、ネット通販などで売られています。そのパッケージやホームページでは、スクイーズのふしぎな感触を伝えるために、たくさんの擬態語(オノマトペ)が使われています。たとえば、スクイーズをそっとさわる感触には「ふわふわ」という擬態語が使われます。少し押して柔らかくへこむ感触には「ぷにぷに」、強めに押してつぶれる感触には「むぎゅっ」という擬態語が使われます。
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そっとさわるとふわふわしている
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少し押すとぷにぷにとやわらかくへこむ
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強く押すとむぎゅっとつぶれる
不思議な感触のスクイーズ(写真提供:㈱ブルーム/MOOOSH原宿店)
スポンジに着色してリアルなデザインに
そのスクイーズの正体は、食べ物などをかたどった発泡ポリウレタンのスポンジに着色したものです。
スクイーズのスポンジは、食器洗い用よりもやわらかい、低反発の素材が使われます。
食器洗い用スポンジは、手で押してへこんでも、手をはなすとすぐに元の形にもどります。スクイーズは、すぐには元にもどらず、ゆっくりと元にもどります。この感触が、スクイーズの魅力なのです。
本物の食パンやショートケーキのように見えるスクイーズを、指で押したり握りつぶしたりしても、ゆっくりへこんで、ゆっくりと元の形にもどります。
香りをつけたものもあって、まるで本物みたいなのに、食べられません。その意外性が魅力であり、手触りも気持ちよくて、心が癒やされるのです。
ふんわりとしたチーズケーキ(写真提供:㈱ブルーム/MOOOSH原宿店)
こんがりと焼けた食パン(写真提供:㈱ブルーム/MOOOSH原宿店)
自分でオリジナルのスクイーズをつくれるキットも
スクイーズを自分でつくることもできます。低反発のスポンジを切って形をつくり、専用の絵の具で色付けをします。自分で低反発のスポンジや専用の絵の具を手に入れるのはちょっとめんどうですが、作製用のキットが販売されています。
あなたも、おいしそうな“スクイーズ”ケーキをつくってみませんか。
ただ、どんなにおいしそうにつくっても、食べることはできません……。さわって楽しんでくださいね!
オリジナルのスクイーズをつくれる手作りスクイーズキット(写真提供:クツワ株式会社)