京都府の京都鉄道博物館(上)、埼玉県の鉄道博物館(左下)、愛知県のリニア・鉄道館(右下)
日本には、各地に鉄道の博物館があります。
その最大級なのが、東京駅から電車で50分ほどのところにある、埼玉県大宮の「鉄道博物館」です。
模型やシミュレーションを通じて、子どもたちが鉄道を支える仕事のプロフェッショナルになりきる体験型ミュージアムとして、鉄道ファンのみならず誰でも楽しめる博物館として、たいへん人気があります。
埼玉県大宮の「鉄道博物館」(写真提供:鉄道博物館)
鉄道の歴史を実物の車両で物語る大宮の「鉄道博物館」
こちらの鉄道博物館には、蒸気機関車から現代の新幹線まで、36台もの本物の車両が展示されています。
中央には、車両の向きを変える転車台があり、一日に2回、汽笛の合図とともに回転し、展示車両の特徴やエピソードが解説されます。
音や光、映像を使って、車両たちが活躍していた時代のいきいきとした姿が表現され、それぞれの車両が持つ物語を体験できます。
中央に転車台がある車両ステーション(写真提供:鉄道博物館)
1964年、新幹線開業時の0系新幹線(写真提供:鉄道博物館)
都市の通勤路線や新幹線を精密に再現する鉄道ジオラマ
模型鉄道ジオラマでは、横幅約25メートル、奥行き約8メートルのジオラマの総延長1200メートルの線路を、模型車両が駆けめぐります。新幹線の「高速輸送」と、都市部の通勤電車の「高密度で正確な輸送」の解説を聞きながら、日本の鉄道の特徴を学べます。
日本最大級の鉄道模型ジオラマ(写真提供:鉄道博物館)
「鉄道おしごと体験」でリアルな鉄道を体験できる「京都鉄道博物館」
大宮の鉄道博物館以外にも、日本の観光地として有名な京都には、「見る、さわる、体験する」をコンセプトに、誰もが楽しめる「学びの場」を目的とした「京都鉄道博物館」があります。
京都鉄道博物館(京都府京都市)
「京都鉄道博物館」では、土日祝日を中心に鉄道職員による「鉄道おしごと体験」を開催しています。
日によって体験できる職種は異なりますが、例えば「車掌体験」では、現役車掌から車両のドア開閉や車内放送を教えてもらえます。「機械体験」では、駅に設置している券売機・改札機・精算機などのメンテナンスについて学べます。
「鉄道おしごと体験」では、「車掌体験」(左)や「機械体験」(右)など、鉄道に関わる仕事を体験できる(写真提供:京都鉄道博物館)
体験型の展示で人気なのが、本物の蒸気機関車に乗って約1kmのコースをゆっくりと走る「SLスチーム号」です。蒸気を噴き出し大きな汽笛を鳴らす姿は迫力満点です。
SLスチーム号(写真提供:京都鉄道博物館)
世界最速を記録した超伝導リニア車両も展示される「リニア・鉄道館」
東京と京都のほぼ中間に位置する名古屋には、歴代の新幹線、在来線から超伝導リニアまでの展示を通じて、日本の高速鉄道技術の進歩を紹介する「リニア・鉄道館」があります。
リニア・鉄道館(愛知県名古屋市)
この館の名前にもあるリニア(超伝導リニア)とは、車体に搭載した超電導磁石と地上に設置したコイルの間に生じる磁力で車体を浮上して走行する最先端技術の輸送システムのことです。この施設には、2003年に世界最速の時速581キロを記録した超伝導リニアの実物車両「MLX01-1」が展示されています。
超伝導リニアMLX01-1の車両
この他にもたくさんの鉄道博物館があります。もし、日本に来る機会があったら、各地に点在する鉄道博物館を訪れてみてください。実物の迫力や、歴史、技術に触れることで、今まで知らなかった鉄道の魅力に気づいてもらえると思います。
鉄道博物館(埼玉県)、京都鉄道博物館(京都府)、リニア・鉄道館(愛知県)