蛇口から出るのは水ではなくミカンジュース(松山空港ビル提供)
蛇口をひねるとミカンジュースが出てくる驚きの場所があります。ミカンなど、柑橘類の収穫量が日本一の愛媛県では、その豊富さから、「愛媛県の家にはミカンジュースの出る蛇口がある」という、本当か分からないけれどあったら嬉しいうわさがあります。逆にこれを利用して、地域の魅力を広めようと作られたのが、ミカンジュースの蛇口です。このアイデアは他の地域にも広まり、いろいろな味が楽しめる蛇口が日本各地に登場しています。
甘くておいしい!
愛媛県の有名な産品をまとめて販売している観光物産館という場所では、ミカンジュースを1杯100円で蛇口からコップに注いで飲むことができます。
また、愛媛県の松山空港では、季節に応じた旬の柑橘ジュースが出てくる「みかん蛇口」が設置され、カップを購入すれば、注いで味わうことができます。どちらも「甘くておいしい」と評判です。
名産のミカンジュースが出る「えひめ愛顔の観光物産館」の蛇口(愛媛県観光物産協会提供)
愛媛県産の柑橘類で作ったジュースやスイーツが楽しめる「Orange Bar」(松山空港ビル提供)
東京・浅草にも登場、蛇口からミカンジュース
東京の観光名所・浅草に、日本各地の食べ物や土産物を販売する商業施設があり、そこにも「みかん蛇口」があります。施設内の愛媛県のブースで、温州みかんなど季節によって異なる3種類の産地直送ジュースが蛇口から出ます。全種類を飲み比べるセットも人気です。
3種類のジュースが出るみかん蛇口(まるごとにっぽん提供)
日本各地の名産品が集まる商業施設「まるごとにっぽん」(まるごとにっぽん提供)
さまざまな蛇口が日本各地に登場
トマト関連商品で知られる食品会社が生まれた愛知県東海市では、市内のイベントに「トマトジュースの出る蛇口」が登場することがあり、いつも大勢の人が集まります。
トマト関連商品を多く扱う食品メーカー「カゴメ」がある地域ではトマトジュースの出る蛇口がイベントに登場(東海市提供)
カニのだし汁が味わえる蛇口(米子空港ビル提供)
カニの水揚げ量が日本一の鳥取県・米子鬼太郎空港では、カニのエキスがたっぷりと入った温かいだし汁が無料で味わえます。「カニ蛇口」は2018年からの冬季限定で設置され、国内外の観光客でにぎわいました。
リンゴの産地、青森県ではリンゴジュース蛇口が、また日本の伝統的な麺類の一つ、讃岐うどんが有名な香川県では、温かいうどんのだし汁が出る蛇口があります。空港や商業施設、イベントなど、いろいろな所でこうした蛇口が現れています。
香川県では、うどんのだし汁が出る蛇口も(高松空港提供)
青森県内のイベントではリンゴジュース蛇口が登場(三沢空港ターミナル提供)
お茶で風邪予防
お茶の産地として知られる静岡県や京都府では、子どもの頃からお茶に親しめるよう、水飲み場の蛇口からお茶が出る小中学校があります。衛生面に配慮した殺菌済みのお茶を、生徒たちは毎日、飲んだり、うがいに利用したりしています。お茶には風邪予防に効くと言われる成分が豊富に入っており、健康にも効果が期待されます。
学校の水飲み場で緑茶が出る(静岡県島田市教育委員会提供)
みなさんは、どの蛇口に興味がありますか? こんな素敵な蛇口を日本で見つけたら、ぜひ試してみましょう。