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流行通信

仲間と団結して盛り上がる運動会


春か秋に開催(かいさい)される運動会。子どもたちは、ワクワクしながら当日を待ち望んでいます。

春か秋に開催(かいさい)される運動会。子どもたちは、ワクワクしながら当日を待ち望んでいます。

日本の学校には、年に一度開かれる運動会というイベントがあります。全生徒をいくつかのグループに分け、チーム対抗(たいこう)で得点を競う学校が多いようです。本番に向けて、子どもたちは1カ月ほど前から練習にはげみます。

永遠の花形種目「リレー競走」

日本で初めての運動会は、横浜(よこはま)で働いていたフランス人によって行われたスポーツイベントだそうです。その後さまざまな国から影響(えいきょう)を受け、また日本独自の趣向を加えていった運動会は、今では日本特有のスタイルをもつようになりました。

リレー競走は、走る子どもも応援(おうえん)する子どもも、その日で一番夢中になる種目です。

リレー競走は、走る子どもも応援(おうえん)する子どもも、その日で一番夢中になる種目です。

お父さんやお母さんの子ども時代から今の子どもたちにいたるまで、リレー競走はずっと運動会の花形種目です。クラスの中から足の速い子ども数名がリレー選手に選ばれ、スタートからゴールまでバトンをつないで走ります。運動会の最後に行われることが多いリレー競走では、その結果でチームの勝敗が逆転することもめずらしくありません。そのため生徒たちはみんな、声を張り上げて自分のチームを応援(おうえん)し、会場は大きな歓声(かんせい)に包まれます。選手に選ばれた子どもたちはチームを背負っているという緊張感(きんちょうかん)を胸に、全力で走ります。そして、良い走りができると大きな達成感を感じるとともに、まわりの生徒たちからあこがれの眼差しで注目されます。

チームみんなで協力して、得点を競う種目

日本の運動会には仲間と力を合わせて行う、おもしろいルールの種目がいくつもあります。

たとえば、団結力が問われる「大玉送り」はチームのみんなで円になり、頭上で大きな玉をころがす種目です。玉が地面に落ちてしまったら、落ちた地点からやり直します。「大玉送り」は全学年で行う種目なので、全員で練習できる機会はほとんどありません。そのため本番では、大玉が思いもよらない方向にころがったりして、なかなかうまくいきません。そんな様子を見て、会場は笑い声と歓声(かんせい)であふれます。

同じく"玉"を使う種目の「玉入れ」は、身長の2倍ほどの高さにあるカゴに、全員が一斉(いっせい)に小さな玉を投げ入れ、入った数を競う種目です。思いきり投げたのに玉がカゴに届かないときは悔しい(くやしい)ですが、カゴに入った玉の数が発表され、相手チームに勝てたことがわかったときは「ヤッター!」と喜びの声が上がります。

チーム全員の心を一つにして巨大(きょだい)な玉をころがす「大玉送り」と、低学年の子どもたちの見せ場「玉入れ」。

チーム全員の心を一つにして巨大(きょだい)な玉をころがす「大玉送り」と、低学年の子どもたちの見せ場「玉入れ」。

借り物競走では、難しいお題がでることもあります。写真は“友達のお母さん”(左)を連れてゴールに向かう競技参加者(右)。

借り物競走では、難しいお題がでることもあります。写真は“友達のお母さん”(左)を連れてゴールに向かう競技参加者(右)。

また、「借り物競走」では、自分が引いたカードに書かれたものを探してきてゴールしなくてはいけません。“ハンカチ”や“ペン”など誰からでも借りられる簡単なお題もあれば、“ネコ”や“友達のお母さん”など探すのが難しいものもあります。応援(おうえん)する人は、走者の反応を見て「お題はなんだろう?」と盛り上がるのです。借りたいものが見つからないときには大声でお題をさけぶと、チームの仲間が探すのを協力してくれるという光景もあります。

得点にはつながらない集団演技も見もの

さて、相手チームと合同で行う集団演技があるのも、日本の運動会の特徴(とくちょう)です。毎年恒例(こうれい)の地元のおどりやその年の流行歌をアレンジした創作ダンス、なかには100名近い子どもたちが7~8分の曲に合わせて演技するという大がかりなものもあります。

集団演技では途中(とちゅう)で並び方が変わったり、小さなグループごとに異なる振り付け(ふりつけ)をしたりなど、複雑な動きがたくさんあります。しかし何度も練習を重ねる中で、自分と友だちの動きがだんだんとそろっていく感覚を楽しいと感じる子どもが多く、本番が終わると「難しいことを成しとげた」とほこらしげな表情になります。応援(おうえん)にかけつけた親たちも、この演技を心待ちにしています。練習を見ていた人は本番の出来栄えに感動し、子どもたちが成長した姿をたのもしく感じるのです。

集団演技ではグループごとに色のちがう衣装を着たり、手に小道具を持ったりと、見た目の工夫もこらします。

集団演技ではグループごとに色のちがう衣装を着たり、手に小道具を持ったりと、見た目の工夫もこらします。

運動会を通じて今まで話したことのない子と仲良くなれたり、クラス全体が一つになれたりすると、学校生活がさらに楽しくなります。運動会で得たものは子どもたちの宝物になり、大切な思い出として残るのです。