ウルトラマンジード(右)&スカルゴモラ。テレビドラマ「ウルトラシリーズ」にはたくさんの怪獣が登場します。©円谷プロ©TSUBURAYA PRODUCTIONS©ウルトラマンジード製作委員会・テレビ東京
日本のテレビ番組には、巨大な怪獣と戦って地球や宇宙の平和を守るヒーロー「ウルトラマン」がいます。1966年の番組開始以来、ヒーローは名前や姿を変えながら、現在も怪獣と戦っています。ウルトラマンは子どもたちに大人気ですが、敵役の怪獣も、時にはヒーローより人気があります。ウルトラマンシリーズ以外にも有名な怪獣がいて、「ゴジラ」もその一つです。そんな怪獣たちの魅力をご紹介しましょう。
怪獣はどうやって生まれたの?
日本で最も有名な怪獣、ゴジラは1954年の映画「ゴジラ」で初登場しました。熱線を口から吐き、都市を破壊する巨大な怪獣です。ゴジラ映画は今までに日本で何本も作られ、2016年には「シン・ゴジラ」が大ヒットしました。アメリカのハリウッドでもゴジラ映画が作られています。
大ヒット映画「シン・ゴジラ」は、2枚組のDVDとして3800円(税別)(約34USドル(2017年6月現在))で販売されている。発売・販売元は東宝。 ©2016 TOHO CO.,LTD.
一方、テレビドラマで親しまれているのは1966年に放送が開始し、現在も続く「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣たちです。想像上の「M78星雲」から来たウルトラマンが宇宙の平和を守るためにさまざまな怪獣と戦います。各時代にユニークなウルトラマンや怪獣たちがいて、日本では、子どもの頃に夢中になったお父さんやお母さんがたくさんいます。
ウルトラマン(右)と戦うバルタン星人は人気のある怪獣で、セミに似た容姿とハサミ状の手を持ち、瞬間移動できるのが特徴です。©円谷プロ ©TSUBURAYA PRODUCTIONS
日本の怪獣は空想上の動物や昆虫、魚、機械のようだったりと、独特の姿をしています。大きな牙やするどい爪を使ったり、口や目から火や光線を出すなどして相手を攻撃します。出身も宇宙のどこかの星だったり、海や地底だったり、さまざまです。そんな怪獣たちは、一体どうやって考えだされたのでしょう。
日本の言い伝えには昔からよく妖怪 が登場しました。数百年前にも妖怪が人気を集めていたほど、日常の中に潜む怪しく謎めいたものに人々は心を引かれました。そんな怖くて不思議なものを求める気持ちが生んだ、科学的・現代的なキャラクターが怪獣です。
怖くてカッコいい怪獣たち
映画やドラマに登場する怪獣は、特殊技術をもつ専門家たちが作ります。子どもの頃から怪獣が大好きで、この仕事に就いた人もいます。その担当者が説明してくれました。
例えば、ライオンやトラのような野生の猛獣は、近くで見たら恐ろしくても、姿はとても力強くて美しいでしょう。猛獣たちのように、怪獣は怖いけれど、大きくて、強くて、カッコいい存在です。人間の心の奥にある恐れと憧れを形にしたのが怪獣なのです。
怪獣は何百種類もいて、どれも異なる見た目や性格、背景を持っています。それぞれの怪獣に物語があるのです。怪獣の体の構造は自由で、豊かな発想に満ちています。例えばガラモンは隕石から現れたロボット怪獣で、ゴツゴツしたエラに包まれた体は、鉱物にも生物にも見えます。ゴモラは牛と爬虫類が合体したような姿です。ほかにも種族を超えた特徴を持ち、「なんだこれは?」と思うような怪獣がいます。この怪獣はどういう種類で、どんな特徴、得意技があるのか考えるとワクワクします。
お話をしてくれた特殊技術専門担当者。持っているのはレッドキングとガラモンのフィギュア
-
![ガラモン。ロボット怪獣で大きな口と体中を覆うゴツゴツしたエラが印象的です。](images/kaiju05.jpg)
ガラモン。ロボット怪獣で大きな口と体中を覆うゴツゴツしたエラが印象的です。
-
![ゴモラ。牛と爬虫類の特徴を持ち、長い尾と三日月型の大きな角が特徴で、鼻先にも角があります](images/kaiju06.jpg)
ゴモラ。牛と爬虫類の特徴を持ち、長い尾と三日月型の大きな角が特徴で、鼻先にも角があります。
-
![レッドキング。大きくて力が強い怪獣です。体の表面はデコボコで、頭が小さいのも特徴です。](images/kaiju07.jpg)
レッドキング。大きくて力が強い怪獣です。体の表面はデコボコで、頭が小さいのも特徴です。
©円谷プロ©TSUBURAYA PRODUCTIONS(3枚とも)
あなたのまわりにも!怪獣は身近にいる
東京の繁華街・新宿ではビルの上からゴジラが顔をのぞかせています。
最近では、映画やドラマ、フィギュア以外にも、アニメーションやゲーム、小説、コマーシャル、街にも怪獣たちは活躍の場を広げています。怪獣が集まるお店や、怪獣に会える場所もあります。常に正しく、みんなの平和を守ってくれるヒーローとは違い、怪獣は勝手気ままで自由です。暴れたり、いたずらしたり、神出鬼没なところも愛される秘密かもしれません。だからこそ、怪獣は長い間、ずっと人気者なのです。
東京都港区にある「怪獣酒場」は怪獣がテーマのお店で、怪獣に関するものがたくさんあります。怪獣も大勢集まりますが、残念ながら人間とは活動時間が違うので、本物の怪獣に会うのは難しいかもしれません。©円谷プロ ©TSUBURAYA PRODUCTIONS
「怪獣酒場」では、怪獣にちなんだ商品もたくさんあり、お父さん世代が目を輝かせて買っていくそうです。©円谷プロ ©TSUBURAYA PRODUCTIONS
これまでたくさんの人々が力を合わせ、どうやったらカッコよくてリアルな怪獣になるのか一生懸命に知恵を絞り、愛情を込めて魅力的な怪獣を生み出してきました。そんな怪獣も時代とともに進化します。今後、現代の環境や情報、常識ではありえない、皆さんをアッと驚かせる怪獣が現れるかもしれません。あなたもオリジナリティーあふれる怪獣を考えてみませんか?