筆入れやバッグなどに、おしゃれな飾りをぶら下げてみたくなったことはありますか? 日本の子どもたちは、持ち物にかわいい飾りの付いたストラップを付けるのが大好きです。ストラップは、自分の持ち物の目印にもなるというだけでなく、趣味や好みなど、自分らしさを表す道具の一つとなっています。
「ご当地キティ」

「ハローキティ」がさまざまな地域の名産や人気キャラクターにふんした「ご当地キティ」(協力 あすなろ舎)© 1976,2013 SANRIO CO.,LTD.APPROVAL NO. S544912

バッグにいろいろなストラップを付けて、おしゃれを楽しむ姉妹
素敵なストラップを探すには、まず携帯電話をチェックしましょう。必ずといっていいほどストラップをぶら下げるための小さな穴が開けられている日本製の携帯電話は、多くの人が自分だけのおしゃれを発表する“ステージ”のように親しまれているからです。宝石のように光り輝く小さな飾りを1個だけ付けている人もいれば、ぬいぐるみのような大きな飾りを何個も付けて携帯電話が何倍も重くなっているような人もいます。

人気のキャラクター「くまモン」のストラップ
携帯電話などに付けられたストラップの中でも、よく見かけるのが「根付(ねつけ)」と呼ばれる、小さなタイプです。じょうぶに編んだヒモの先に、大人の指先ほどの大きさの人形などが結びつけられています。
大人も子どもも大好きなストラップのシリーズに「ご当地キティ」があります。日本で誕生した人気キャラクターの「ハローキティ」と、地方の名物や名産品を組み合わせたデザインの根付です。1998年に、北海道のラベンダー畑をイメージしたご当地キティが、最初の商品として発売されました。
熊本県では地域のキャラクターとして大人気の「くまモン」に抱っこされたキティちゃん、名古屋では名古屋城の屋根の上の飾りの上に乗ったキティちゃん、京都では着物に和傘を差しているキティちゃんなど、これまで数え切れないほどの種類が作られています。これらのキティちゃんは、それぞれの地域で手に入るもので、旅行に行ったりして珍しいキティちゃんを手に入れたり、家族の誰かがおみやげにプレゼントしてくれたりすると、うれしくて、友だちに自慢したくなります。

ラベンダーシリーズの「ご当地キティ」(協力 あすなろ舎)© 1976,2013 SANRIO CO.,LTD.APPROVAL NO. S544912
着物文化が起源

帯に小袋を下げるための丸い留め具が根付(協力 京都 清宗根付館)
日本の人は、どうしてそんなに携帯ストラップが好きなのでしょう。それはどうやら、日本の人が昔、着物を着ていたことと関係があるとも言われています。
300年ほど前の日本人は、着物を着て生活をしていましたが、着物にはポケットがなかったため、お金や薬などの大切なものを小さな袋に入れて腰からぶら下げていました。この時、小袋が落ちないように留め具として使っていたのが根付です。
根付には人形のような目印が付いていて、その部分を帯の上からちょっとだけ外に出していたので、やがておしゃれの道具となり、芸術品へと進化していきました。その当時の根付を見ると、人、面、犬、亀、猿、鳥などが自由な表現でデザインされています。

昔の人は芸術的なデザインの根付を楽しんだ(協力 京都 清宗根付館)
日本人のストラップ好きは、こうした小さいものに愛情を持って大事にしてきた文化に根ざしているのではないかと言われているのです。