自分だけのオリジナルをつくる
そんなペン類をたくさん収納できる大きめの筆箱は、女の子たちの必需品です。小学生の女の子が持っていたキャラクター柄の筆箱は重く、中には、消しゴムや定規などといっしょに、筆記用具がぎっしりつまっていました。こんなにたくさんのペンを、いったい何に使うのでしょう。たずねてみると、「ノートを取ったり、友だちに手紙を書いたりする時、文字などを飾って目立たせるのにいろいろなペンが必要」なのだそうです。つまり、ノートや手紙の紙面をデコレーションするのです。

テープを引くと動物やハートの柄(右)が出てくるデコレーションテープ「デコラッシュ」
(協力=プラス(株))

シンプルな「キャンパスノート」にカラーペンやスパンコールを使ってデコレーションしたデコノート(協力=コクヨS&T(株))
デコレーションに使う文具はペンだけではありません。最近は、シールはもちろんのこと、それよりさらに手軽なペン式のデコレーションテープも人気です。修正テープと同じ原理で、テープを引くとハートや星、花や動物柄などが転写され、楽しくあっという間にデコレーションできます。

仙台で行われたワークショップには、女の子に混ざって男の子も参加。ワークショップはその後も定期的に被災地で開催されています(協力=コクヨ(株))
同じようにしてノートの表紙を飾る女の子たちもいます。ある文具メーカーが、シンプルでデコレーションしやすいと評判になった自社のノートを使いコンテストを行ったところ、小学生から大人まで多くの作品が寄せられました。また、東日本大震災後、被災地・仙台で行われたワークショップでは、幼稚園生から中学生まで大勢が参加、カラフルなマーカーやかわいいシールに大喜びし、夢中になって取り組みました。文具には人の心を幸せにする、そんな力もあるのかもしれません。
かわいいだけじゃない日本の文具
文具を選ぶ時は、見た目のかわいさだけではなく、使いやすさも大事なポイントになります。
芯がくるくる回っていつもとがった状態で字がきれいに書けるシャープペンシルや、ペン先についた窓から文字を見ながらマークできる蛍光ペンや、こすって消すことができる画期的なカラーペンやボールペンなど、すぐれた機能を誇るペンもたくさんあります。また、角が28個もあって細かいところまできれいに消せる消しゴムや、スイーツや動物のかたちをした消しやすい消しゴムもあります。また、針を使わず、小さな子どもたちの工作などにも安心して使えるステープラーなどもあります。
かわいくて使いやすい日本の文具を使えば、苦手な科目の勉強も、きっと楽しくできるにちがいありません。

左/スイーツのかたちをしたおいしそうな消しゴム(協力=(株)イワコー)
右/角だらけの消しゴム「カドケシ」は、MOMAデザインコレクションにも選ばれました(協力=コクヨS&T(株))

紙に矢印のようなかたちの穴をあけ、くりぬいた矢印の先の部分を折りこむことで、針なしでも閉じられるようにした画期的なステープラー「ハリナックス」(協力=コクヨS&T(株))
(2012年2月更新)