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2006年の夏休みはアニメ映画の大作が続々と公開され、子ども達は「どれを見ようか?」と品定めにひと苦労するほど。そんな中、4年をかけて制作されたすばらしい映像と、わくわくドキドキの冒険物語で子ども達の人気を呼んでいるのは『ブレイブ ストーリー』です。
物語の主人公は、ごく普通の小学5年生、ワタル。両親と一緒に平凡でも楽しい毎日を送っています。ところがある日、優しかったはずの父親が家族を捨てて家を出て行き、ショックを受けた母親がガス中毒で倒れて救急車で運ばれていきます。
その衝撃(しょうげき)の中、ワタルは転校生ミツルから教えられた「運命を変える不思議なとびら」のことを思い出します。近所にある幽霊(ゆうれい)ビルを探検していたとき、階段の上に偶然見つけた不思議なとびら。そして「とびらの向こうへ行けば運命を変えられる、ひとつだけ願いがかなうんだ」と言い残してとびらの向こうへ消えたミツル。ワタルはばらばらになった家族を取り戻すため、勇気をふるってとびらの向こうへ飛び込みます。そこには現実とはまったく違う魔法とファンタジーの世界「幻界」があり、ワタルは「見習い勇者」として5つの宝玉を探すことになります。
この物語を作ったのは、ベストセラー作家として有名な宮部みゆきさん。彼女が書いた原作本は40万部の大ヒットを記録し、学校図書館でも人気の作品で す。また原作をもとに漫画(まんが)が作られたり、『ブレイブ ストーリー 新たなる旅人』などのゲームも制作され、様々な形で『ブレイブ ストーリー』の世界が子どもたちの間に広がっています。
映画には観客1人につき10円を日本ユニセフ協会へ寄付する「ぼくらのブレイブ基金」がもうけられていて、公開1カ月後には早くも1000万円を突破。このお金はアフリカ・マウライ共和国でHIV/エイズの影響で苦しむ子どもたちのために使われる予定です。「僕たちのいる世界を受けとめて、そして変えていこう」とする『ブレイブ ストーリー』の冒険心が、世界の子ども達の暮らしを変える一助になるかもしれません。
(2006年11月更新)